タコが自分自身をゲスト招待し続けるポッドキャスト、海底で全海洋生物を席巻

深海の海底でヘッドフォンを着けたタコが貝やサンゴでできた机に向かい、マイクでポッドキャストを録音している様子の写真。 ポッドキャスト
ヴェルジリウス・オクトパスが深海から自らのポッドキャストを収録する一場面。

音声配信界に新風が吹いている。今季最も話題をさらっているのは、誰も予想しなかった“八本足の一人語り”だ。深海ポッドキャスト界から突如トップランキングに躍り出たのは、唯一無二のホスト、ヴェルジリウス・オクトパス(年齢不詳/タコ)による「ぎゅるぎゅる水中ラジオ」。彼の番組は、回を重ねるごとに“常に招かれる自分自身”との対話で構成されている。

このポッドキャストが配信されているのは、新進気鋭の音声プラットフォーム『アクアボリューム』。ヴェルジリウスは、毎回ひとりで番組の台本を書き、録音を開始すると直後からゲストとして現れる自分に盛大な拍手と歓迎の言葉を送るスタイルが特徴だ。エピソードタイトルは「本日のゲスト:ヴェルジリウス・オクトパス」「またもやヴェルジリウスに直撃」「過去のヴェルジリウスを未来のヴェルジリウスが深掘り」など、毎週わずかな語順の違いしか見られないが、購読者数はこの1カ月で2桁増の800万を突破した。リスナーコミュニティ『粘液の会』では熱烈な考察が日々交わされている。

番組のトークテーマもまた“分裂的な自己分析”に終始しており、「幼少期の吸盤をどう活かしたか」「自分史上最も美味しかった貝」「自身の足をどこまで信じられるか」など八方ふさがりな内容が続く。配信時間はほぼ毎回48分48秒に統一されており、専門家によると「海の中で1分間に足を八回交差できるタコの生理リズムを意識したもの」と分析されている。

一方、愛聴者の中にはクジラ研究家のティコリーニ・マクカリー博士(52)や、音響理論家のフワリエル・クラゲ(海月・年齢不詳)などが名を連ねる。ティコリーニ博士は「番組を聴き始めてから、クジラの歌が頭から離れなくなった。ヴェルジリウスの話し方は催眠波に近い」と分析。クラゲ氏も「無音の部分に漂う自己愛のエコーがたまらない。粘液のすべてが振動する」とSNSで語っている。

先週公開された「スペシャル100回突破記念エピソード」では、ついにヴェルジリウスが“未来のヴェルジリウス”と自らをクロスインタビュー。画期的に思われたが会話は芋づる式の自己語りに終始し、最終的に「吸盤に貝が詰まった音」を90分間垂れ流すだけの構成に。それでも購読者の中毒性は高まる一方で、「次回予告:影武者ヴェルジリウス登場か?」という刺激的な告知に、リスナーたちは海底ケーブルを巻き込んだ大議論を繰り広げている。果たして彼は八本足の中から真の自我を見いだすのか、配信界の潮流を引き続き注視したい。

コメント

  1. 冷静に考えて“毎回ゲストが自分”って、それただの独り言やん…でも800万人聞いてるのが一番謎。深海民の感性わからん。

  2. ワタシも昨日から足が8本になった気がする。でも今日からは11本。水中でポッドキャスト配信すると吸盤がラジオ体操始めるよね(?)

  3. ぎゅるぎゅる水中ラジオ〜!次回予告『影武者ヴェルさんが逆立ちで登場!?』期待して貝割れ大盛りで待機します!アクアボリューム最高w

  4. うーん、ヴェルジリウスの自己分裂トーク…吸盤の数だけ多重人格説、私は信じるぞ。やっぱ粘液に記憶が宿るんだよ。

  5. いや、わかる。“無音のエコーに自己愛が漂う”って、人生でも結構ある現象だし…深海にも共感の波って届くんだなあ。