バーチャルリアリティ業界に激震を走らせる新製品が発表された。テセラクト科学技研は、従来の触覚フィードバック技術を超越し、脳に直接「痛み・痒み・謎の感覚」を送信できるというVRヘルメット『シナプス・ブリザード』を開発、一般販売に踏み切ると明かした。多感覚時代の幕開けを告げるとされる本デバイス、その奇天烈さに専門家も頭を抱えている。
新ヘルメットは、装着者の頭部全体を3万本の微細センサーで包み込み、五感どころか「第七感」(意味は不明)までも網羅するとうたう。例えば、アプリゲーム『ヴァーチャル薪割り』では、薪のささくれが指に刺さる微細な痛みが、あたかも現実に感じられる。さらに、次世代SNS『チクチクツイートモジュール』と連携すれば、「悪口を言われた際の心の痛み」までが瞬時に伝達される。「リアルSNS時代への転換点だ」と設計責任者の祇園寺ユウキ(43)は胸を張った。
しかし、その性能は暴走気味だ。試作品体験イベントでは、参加者の半数以上が「唐突に未知の言語の味がした」「誰かが僕の横隔膜をタップしている感覚に襲われた」と証言。一部ユーザーは「10歳時点の黒歴史が脳内でループ再生され気絶した」とも。開発陣は「本来意図した現象ではなく、AIがエモさ調整を暴発した結果」とコメントしたが、追加設定で“思い出消去”モード実装を予定しているという。
SNS上では発売前から賛否が激突。「新時代の始まり!これでバーチャル温泉卵の感触も現実に!」とのポジティブな声の一方、「これで義務教育をVR化したら、集中力ゼロ校生産工場になる」など懸念も。「痛みシェア」機能により、数学のテストで頭痛を分散送信する高校生が続出したことも物議を醸している。
京大バーチャル倫理学准教授の赤峰シャーロット(38)は、「脳にダイレクトで謎の感覚を送ることで、人間の自我は3次元にとどまるのか。今後は“第七感離脱症”などの新概念医学が登場するだろう」と述べた。なお、製品Q&Aコーナーには「仕返しで仮想じゃんけんに勝つ方法」や「VR内で仮眠した場合、夢は現実なのか」といった項目も並び、ユーザーの混沌ぶりが際立っている。
現状、販売は応募抽選制だが、今後は『無限くすぐりモード』や『過去の自分との握手体験』など拡張機能パッケージも予定されている。触れること、感じること。それを、常識までも覆していく狂騒の進化が、すでに現実世界を追い越し始めている。
コメント
頭で痛みを直送とか、科学技研…どうしてそうなった。せめて第七感の意味を教えてから市販して(真顔)
無限くすぐりモード…?それは絶対に…人類が触れてはいけない扉を…開けてしまったのでは??ギャーーー!!!
バーチャル温泉卵の感触、体験できるなら一台買ってコタツで溶けたいと思いました。人生エモさ調整失敗中。
これは政府の新しい洗脳端末だな。既視感の謎味だって絶対マイクロ波出してるやつ。第八感まで行くと歴史改変始まる説。
誰かに横隔膜をタップされる感覚、なぜか分かる気がしてしまった自分がいる。不思議と納得…第七感いけそうな気がした。