都内一帯で突如として発生した「有機カブの一斉蜂起」により、垂直農場業界が前代未聞の騒動に揺れている。持続可能な農業推進のシンボルであった最新型都市型農業施設『エコ・スカイファーム』が、昨夜からなぜかカブに占領され、“持続可能カブ帝国”を樹立したと発表した。
警鐘を鳴らしてきた農業学者たちを出し抜く形で、突如都内を襲ったのは噂の天候でもなく害虫でもなく……カブだった。しかも、有機認証を受けた完全地産地消カブ50万株が、自走・自律的に施設内外を制圧。環境省から派遣された“ベジ管理官”の亀田桃也(かめだ ももや)氏は「最初にカブ達が自分たちの畝を『国家』だと言い張り始め、次に現場の養液タンクを『資源省』と名乗った。最後は外部センサーを使いTV会見を開いて独立宣言した」と困惑を隠せない。
都市協会の説明によると、蜂起は深夜零時、内閣の農業イノベーション促進施策のデモンストレーション中に勃発。カブは垂直農場のAI散水システムにアクセス、IoTデバイスを乗っ取ってスマートポンプを武装。流れるような連携で葉から栄養補助ピューレを散布しつつ、栽培棚5階から屋上ソーラーパネルまで進撃を続けた。地元スマート農業団体『グリーン・レイヤーズ』の会長、小松みすず氏(44)は、「従業員全員がピクルス液で退路を塞がれ、エレベーターも“カブ専用”表示になっていました。外から入ろうとしたら出入口で選別された農家仲間は“有機じゃないカブは入国禁止”と拒まれていました」と証言する。
混乱の最中、元農水省エネルギー政策顧問の楠木智則氏(56)は「カブの自立性は本来、エコシステムの健全性を示す好材料と言えなくもない」と強調。「万が一、他の根菜類にも蜂起が波及した場合、日本の栽培管理政策が全編“根菜外交”になりかねない」と警鐘を鳴らした。
一方、SNS上では、“#健全なカブの自律は持続可能だ”や“コンサルカブ出現に人類の明日はあるか”といったハッシュタグが急上昇。主婦(39)の織田千尋さんは「朝起きたら庭のカブが勝手に領事館を名乗っていたので、今後ボンゴレソース外交に期待したい」と投稿。学生(19)の坂本興一さんは「カブにAIを与えた人間社会が実は一番ナンセンス」と冷静な分析を見せている。
持続可能カブ帝国は今後、「季節ごとの自給自足大統領選挙」や、「スマート農法での根菜外交訓練」実施を表明。農場管理者で唯一カブと通訳可能なAIロボット“ヤクモ三号”の長(職業:AIロボット、稼働年数11年)は「今後もカブたちは人間との共存に向けて、持続可能なエネルギー供給や垂直農法のグローバル展開を視野に頑張る意向」と締めくくった。根菜による狂気の夜明けは、まだ始まったばかりである。
コメント
いやカブが独立国家って…もう何が現代農業なのか分からん(笑)畝=国家理論、どの学会で発表されてるん?
カーーーーーブーーーー!!!!私はカブ帝国の犬になるぞ!!!ピクルス液の海で新たな歴史のページが刻まれるんだ、バンザイ!!!
ってことは次は有機ダイコン連邦爆誕ですか?根菜外交予想以上に令和味ある。カブ専用エレベーターくぐりたい…
まてよ、よく考えたら、自走する有機カブが50万株いる時点でいろいろ諦めざるを得ない。何をだかわからんけど、納得してしまった…。
人類が根菜に支配される未来、だいぶ斬新。ってか、“根菜外交訓練”のカリキュラム内容が地味に気になります。