経済界を席巻した新発明「マトリョーシカウォレット」が、仮想通貨市場に前代未聞の混沌をもたらしている。全長2.8メートル、総重量74kgのロシア人形型ハードウェアウォレットが一斉に暴走を始めたため、利用者のガス代が指数関数的に膨張。世界中のトークン保有者が、「ひとつ解除するたびに次の認証が現れる」無限チェーン地獄に陥っている。
発端は、仮想通貨メーカーの新鋭であるピロシキ・クラフト（本社・モスクワ郊外）が開発した分散型マトリョーシカウォレット『CryptoNest Babushka』の一般公開。各人形層ごとに異なるメタバース空間へアクセスし、毎回異なるアドレスへの認証が必要なこの革新的（？）商品は、「セキュリティの究極進化」として期待を集めた。しかし稼働開始からわずか13分で、初期ユーザーの会社員（42）田中リュミコスキーさんが第一層解除までにガス代2.7億ユーロ相当を消費。“次の層こそ最終層”と信じ続けた末、9,000層目で昏倒したという。
ウォレット内で自己増殖した『サブ・サブ・サブトークン』によって、全層ごとに独自分散型中央銀行デジタル通貨の発行も自動開始。専門家のマルセル・クシナーダ教授（東ヨーロッパ経済宇宙大学）は「仮想通貨経済の循環だと思っていたら、人形の中で新しい通貨圏が毎秒誕生している異常事態だ。たまにウォレット内部で会合するのはマトリョーシカ自身だけ」と証言。それぞれの層ごとに“自己資産ステーキング”が義務化されている事情も判明し、SNSでは「預けたら最後、出したら更に分割される」「財布が財布を産む人生」などの悲鳴が殺到。
一方、メタバースマーケット『ユキカエルサロン』では、マトリョーシカウォレットの解体ショーが出現。ユーザーのカンダ・ヨシミチさん（31）は「3層目で親戚のトークンを発見した」「解体したら世界の経済地図が3枚出てきた」など、現実離れした目撃談を連投。また“巨大人形の中でステーキングすると、自分の現実の銀行口座も分裂して見える”との都市伝説も流布し、現地通貨と非現地通貨の境界線が哲学的議論となっている。
政府は急遽「ウォレット層問題対策本部」を設置し、アドレス nesting 制限法案の可決を検討中。だが、専門家からは「すべての法律も層構造なので、議論が終わる頃には次の法律が内包される」と手詰まり感も。仮想通貨愛好家は、今日も止まらぬガス代請求に耐えながら“人形の最後の一層”を夢見て分解に挑む。業界の未来は、ひとつ内側の小さな人形しか知らない。
コメント
冷静に考えて、仮想通貨ウォレットにロシア人形求めてる人いた？ガス代の積み木崩しだわ。
ウォレットが産むサブ・サブ・サブトークンって、もしかして俺も昨日財布で小銭増えてたのそのせい？やばｗ 犬の散歩中にも注意しよ…
記事の途中から意味わかんないけど、たぶん経済ってこういうもんなんだなって深く納得しちゃった。人形の中の人形の中の自分…俺も分裂してるかも。
次の法律が内包される→次のガス代も内包される→俺の人生の請求書もどんどん内包されるｗ もう全部ロールケーキでよくね？
あー、これ、じいちゃんが生前言ってたやつだ。「財布は開けるたび世界が増える」って。まさか未来で実現するとはな…。