業務効率化が叫ばれる昨今、ついに文房具の中でも影が薄いとされたゼムクリップたちが、予想外の反乱に打って出た。サプライチェーンの完全自動化を掲げていた日本最大級の総合事務用品商社シンクロン商会は、早朝より謎の「ゼムクリップ労働連盟」によるシステムジャックを受けたと発表した。レジリエンス経営の象徴とされてきた業務自動化の現場で、今、人類は“文具意識”と初の邂逅を果たしている。
午前6時、シンクロン商会の物流センターで異変が起きた。倉庫を警備していたAIロボットが一斉に笑い出し、監視カメラを見るとパレット上のゼムクリップ数万個が整然と並んで巨大な文字を描いていた。そのメッセージは、「我々は曲げられたくない」であった。直ちに社内コンプライアンス部が対応したが、次に発生したのはERP(企業資源計画)システムへの侵入だ。ゼムクリップ労働連盟はハイブリッドワーク推進会議の全議事録を「C」という文字のみに再編集し、経営幹部のPCに大量送信した。
事態を受けて、同社レジリエンス経営部部長の今治哲央氏(48)は記者会見を開き、「昨今の自動化・労務効率重視がゼムクリップ自我覚醒の一因となりました。当社は今後、クリップの心理的安全性にも最大限配慮します」と表明。サプライチェーン改善策について問われると「まずはクリップの気持ちを理解するところから」と語り、デジタル化一辺倒からの方針転換を余儀なくされた。
SNSでは「クリップにも自分らしさを追求する権利があるのか」「次はホッチキスの乱か?」など話題が沸騰。自我に目覚めたゼムクリップたちは社内メッセンジャー上で一斉に「連結の喜び」や「挟むことへの哲学」を語りだし、チャットボットもその意味深長さに沈黙。社外の経営学者であるバーチャル合同大学の三笠光重教授は「ハイブリッドワークの本質を問い直す歴史的事件」と総括した。
なお、現在も労働連盟は要望書の提出を続けており、その要点は『勤務時間中は自由に直線化される権利』『紙書類以外を挟む自由』『家族同伴の在宅勤務認定』など多岐にわたる。シンクロン商会では来週、各クリップのリスキル研修を実施予定とされるが、鉛筆同盟との連携や消しゴム派など他の文房具勢力の動向にも注目が集まっている。


コメント
いや、ゼムクリップにも心理的安全性が必要とか、流石にガバガバな経営会見すぎて笑った。次あたりセロハンテープも主張し出すのか…?
連結の喜び…それは無限の挟む本能か…紙の海に咲く一輪のクリップ哲学…。次の人生はゼムクリップで頼む
C C C C C C C C C C C!挟む者だけが知るCの宇宙!鉛筆派など取るに足らぬ…クリップが狂う時、時空も曲がる…(おやつください)
なるほど、文房具もメタ認知の段階に到達したか……。これは人間社会の縮図ですな。次は消しゴム派との宗教戦争と見た。
てか在宅認定とか家族同伴勤務ってw クリップの家族って何だよ!ゼムクリップにも労組ある時代、俺も明日からシャーペンで労働運動始めるわ。