常識破りの舞台演出が話題を呼ぶ水中没入型シアター「アクアステージ」が新たな潮流を巻き起こしている。公演中、俳優も観客も全身ウェットスーツ姿で巨大水槽に入り、空気の泡で台詞をやりとりする完全即興劇だが、最大の注目は“入場チケットが肺活量に比例して高額になる”という奇抜なシステムにある。
アクアステージの代表・巌谷サメ太郎氏(46)は、「演劇とは己の肉体ごと物語に没入すること。呼吸=没入度です」と語る。チケット購入時には独自開発された“肺活ドーム”にて審査員が肺活量を測定、その数値に応じて座席が割り振られる仕組みだ。しかし、筋金入りのダイバーしか舞台の最前列を獲得できず、“空気消費税”として観劇中に空になったボンベごとに追加料金が発生するため、料金体系は観客の呼吸回数によって目まぐるしく変動する。
壮絶な観客参加型劇場となったアクアステージでは、予期せぬトラブルも絶えない。開演直後に浮力のコントロールを誤り天井に貼り付いたままエンディングまで降りられなかった証券アナリスト(31)、誤ってクラゲ役の俳優と交際を始めてしまった理学療法士(28)など、ドラマは水中と客席の境界を超えて連鎖的に発生している。特に人気の演目「カレイ対マンボウ 〜泡と沈黙の即興対話〜」は、観客の呼吸が惑星の公転と同期し幻想的な“水中回転花道”を生み出す仕掛けが評判だ。
SNS上では「肺活量8000ccの友人と行ったら、途中で友人だけ別劇場に転送された」「役者の台詞が見事に泡文字になって読めた」「水中拍手の練習に集中しすぎて、気付いたら劇団にスカウトされていた」など、予期せぬ体験談が次々と投稿されている。舞台評論家の泥川ウニ助氏(58)は、「台詞が水泡と共に消える瞬間こそ、演劇表現の極北だ」と斬新な演出を絶賛しているが、「酸素ボンベ盗難対策は急務」との懸念も示した。
主催側は次回作として、観客自身が“マリモ”や“沈没カトラリー”などの役で舞台に乱入し即興的にセリフを出せる新形式『全員巻き込まれ型アンダーウォーターミステリー』を検討中。チケットのプレミア化も加速しており、呼吸に自信がある者はもちろん、呼吸を辞める覚悟の“エア無頼派”までが行列に名を連ねている。即興劇と酸素の間で繰り広げられる水中大乱闘、その波紋は演劇界のみならず溺愛家の集まりにも広がり続けている。


コメント
チケット買ったら肺活量測定って健康診断かよ!観劇するだけで命がけすぎて草。
私は水中カレイ…私は水中カレイ…泡が惑星の彼方へ。回転花道でスカウトされて目覚めたらマリモでした。
冷静に考えて、クラゲ役と付き合う展開いる?誰か物語の筋を泡で説明してくれw
なるほどね、こうやって人類は陸上を捨てて水中に適応していくのか、妙に納得したわ。
肺活量で席が決まるとか斬新すぎw 俺、水中拍手だけプロなんで、次回は沈没カトラリー役で乱入したいッス!