全国で衣服の新たな社会秩序が静かに浸透しつつある。今年発足した「袖長調和会」による施策で、アースカラーTシャツの“袖の長さ”によって市民の立場が一律規定される「Tシャツ主義社会」が本格始動した。五感どころか第26感まで刺激されるという、前代未聞の服装ルールが混乱と笑いを呼んでいる。
社会学者の岬田ロジ子(53)は変化の背景について次のように語る。「近年、色数の多さやファッションの自由が社会を分断していました。そこで“アースカラーのTシャツ限定”という共通項を設定し、袖の長さに階級を委ねることで、民衆の心を統一する狙いが生まれました」。調和会によれば、袖なし=平民、半袖=有識者、七分袖=貴族、長袖=最上級市民、超長袖(手袋付き)=雲上人、という奇妙なヒエラルキーが導入されたという。
新たな社会制度のもとでは、申請すれば誰でも袖の長さを変更可能……かと思いきや、袖の日数単位での成長申請や衰退デモも横行。Tシャツ工場では24時間体制で「あと0.3mmだけ伸ばしてほしい」などの商品直訴が殺到。ときに袖詰め職人と袖延ばし職人が織りなす“袖闘”は、伝統工芸の域を超えて連日テレビ中継されている始末だ。
さらに、アースカラー以外のTシャツ着用者は“地表外市民”と認定され、存在をカウントされないなど副作用も。街角のカフェでは「今日は七分袖の気分だけど、銀行ローンの審査で長袖が有利って噂よ」と囁かれ、SNS上には #袖長マウント や #アースカラーだけが友達 といった謎のハッシュタグが乱立している。キットカット専門家の森崎パク次郎(44)は「本当は赤シャツ派だったが、今は土色に人生を染め直している。袖で銀行口座の金利が変わる日が怖い」と肩を落とす。
各地の学校でも“袖育(そでいく)”が必修科目化。小学校1年生が初めて自分で袖丈を裁断し、親から拍手される“初袖切り式”も執り行われている。今年度の袖競技会では、1分間に正確に袖を9種類に詰める“マルチスリーブ競争”が最高記録を更新。袖長ピラミッドの頂点めざし、今日も各地で袖が静かに伸び縮みしている。
袖だけで主義も価値観も変わる奇跡の時代。生まれ変わったシャツ社会に、今後どんな色合いが加わるのか、誰にも予測はつかないままだ。



コメント
いや、袖の長さでヒエラルキーできるって、管理システムどうなってんだ…。アースカラー限定なのも地味に納得いかない。
超長袖で電車乗ったら隣の人のコーヒー全部吸いそう。袖だけで社会変わる世界線、5億光年くらい先に行ってるなw
銀行員「袖の長さ拝見します」←NEW常識爆誕。ところで足の指で袖伸ばす大会はまだですか??
子どもが「将来の夢は袖延ばし職人!」って言ってて、なんか妙に納得しちゃった自分がいる…これが第26感かな?
アースカラーで人生染めなきゃいけないとか地表外市民にはつらすぎる。俺は赤いTシャツで宇宙を歩むぜ!#袖長マウント