“歯ブラシ合唱団”による拡張現実出現事件――スマホ不要で現実が混線、LiDARも困惑

日本の港町の朝、数名が歯ブラシを持って歌い、背景に透明な紫キャベツやデジタル風のみずたまりなどが浮かび上がっている様子。 拡張現実
歯ブラシ合唱団の歌声によって現実と仮想が混線した港町の一コマ。

大規模な拡張現実(AR)の波が世界を席巻する中、科学界で前例のない異変が発生した。最先端システムを持たずして現実と仮想が交錯した責任は、日本近郊の港町に現れた“歯ブラシ合唱団”「クチュール・ガム」にあるという。スマートフォンもヘッドセットも介さず、たった12本の歯ブラシの斉唱によって、誰もが体験不可避な混沌が現出した。

発端は齋藤ニック教授(無口物理学、48)が開発した「デジタルツイン音響変換器」だった。齋藤教授は、歯ブラシが奏でる摩擦音の微細な変調をLiDAR技術で分析し、それを街の建物全体に投射、現実空間を文字通りの“キャンバス”へと変化させることに成功した。教授は真顔で「歯ブラシに歌わせたかった」と語る。ところが、地元アマチュア合唱団がこれに参加表明。「朝の歯磨きメドレー」を一斉に響かせた瞬間、周囲に“仮想みずたまり”や“電子ひじき畑”など、不可視のオブジェクトが次々出現。通学途中の児童(9)が「坂道に急にバーチャル紫キャベツが生えた。登校バトルが難化」とコメントし、町のSNSは珍現象報告で溢れかえった。

本来なら拡張現実は個人端末で認識されるはず。しかし、この未曽有の現象は参加者が歯ブラシを振り、異なる言語の歌詞(例:古代ペルシャ語、車庫番AI語、逆再生日本語)を歌うたび空間の翻訳機能が自発的にONになる事案が続発。リアルタイム翻訳MRが機能しすぎて、駅アナウンスやカラスの鳴き声すら全方位英訳・アラビア語化される騒乱に。SNS上では「コンビニ入口がスナップチャットの犬耳レンズに化けて入店不能」「老舗パン屋が仮想空間上に30軒分出現、食パン密度2000%増」との報告も相次いだ。

現地に急行した拡張現実研究家の森永ドロリ博士(椅子型研究員、年齢非公表)は、「LiDARが完全にバグった。歯ブラシ音が物理層と意識層双方を混乱させた結果、全ての現実が‘曖昧なバージョン’になった。もはや床も家具も暫定的存在」と分析。一方、スマートフォン製品評価協会は今回の出来事に「公式見解も認識できない」と謎コメントを発表した。

一夜明けた港町では、住民の半数が「口を開けばVRバナナ」「宿題がひじき畑に消えた」「恋人が音声エフェクト付きで二重化している」など、現実と仮想の識別困難に直面中だ。齋藤教授は「次は歯間ブラシ四重奏団で現実をやり直したい」と抱負を述べているが、すでにARシステムの根幹を揺るがすと警鐘を鳴らす声も多い。なお、町外からの訪問者は未だ入口で仮想犬耳を装着されるため、注意が必要だという。

コメント

  1. 歯ブラシ12本で現実が混線って、物理も情報工学も歯磨き粉だらけになってない?教授が真顔なのが一番怖い。

  2. バーチャルひじき畑に消えていく我的宿題よ、いずこへ。愛も現実も上書きできたらいいのに、歯ブラシの調べに乗せて。

  3. オレも明日から駅アナウンス全部アラビア語になったらむしろ出勤せず踊り出しそうwww てか現実バグらないためにも奥歯まですみずみ磨きます!

  4. あー、これはある意味当然ですよね。やっぱり摩擦音×LiDARの相乗効果って、思考層に作用するって昔から言われてましたし。

  5. なるほど、これこそがスマホメーカーの陰謀ってことか。リアル犬耳で人類管理しようとしてるの、そろそろ国会で追及してほしい。