全国有権者数の99.7%が「選挙活動は意味不明」と答える異常事態の中、第653回国政選挙はかつてない混沌に包まれた。各党が空前絶後の選挙戦術を競うなか、新勢力“水槽党”の出現と、擬似食物を代表候補に据えた無党派層団体の出馬が、政治参加と投票率を根底から揺るがしている。
選挙前夜、“水槽党”陣営は巨大な移動式水槽を国会前に設置。党首であるタイリクバラタナゴ(7歳・オス)が、泡文字で政策を提示するという前代未聞の手法を披露した。公約は「泳げる道の拡充」「エアポンプ保障」「人間と魚類の平等確立」などとされ、その全てが専門家にも解読不能な水流ジェスチャーで語られた。選挙管理委員会の審議では、“魚類の意思表示権”という前例のない主張をめぐり、即席水中会議が強行開催される騒ぎとなった。
一方、無党派層を代表する『比率代表パンケーキ同盟』が突然選挙戦へ殴り込み。「どの政党にも属さない食物や家具も参政権を持つべき」として、目玉候補に“バター乗せずみパンケーキ(焼きたて)”を擁立した。街頭演説では若年層有権者がパンケーキにシロップを注ぎながら「この焼き色こそ未来」と涙ながらに訴え、支持拡大に貢献した。「比例代表制の本質は“まぜまぜ”だ」と熱弁する青年政治活動家・ホリグチ真砂(24)は、「バターを乗せるか否かで支持が割れた場合、国会分裂もありうる」と警鐘を鳴らす。
奇現象は投票所にも波及した。三重県のある投票所では、入場券をうっかり食べてしまう有権者や、自筆投票用の鉛筆が突然トマトに変わるなどの“選挙的物質転換現象”が20件以上報告。投票用紙を用いた折り紙合戦や「候補者の似顔絵で投票カウント」という非公式ルールもSNSで支持された。高校3年生有権者・ナガサワ湊斗さん(18)は「誰に入れたか忘れるから、鉛筆で顔を描く方が記憶に残る」と持論を展開。
投票率は昨年比で42.6ポイント増の314%となり、分析班のズミ山博士(幻の生物学・97歳)は「どう見ても魚やパンケーキ、家具類が自発的投票行動を取った」と断定。「若者投票率」や「シルバー民主主義」といった古典的な論争は、『全人類・全魚類・全焼き物品の主権者教育』問題に吸収されつつある。SNS上では「次こそ花瓶に投票したい」「選挙に参加しただけで家の観葉植物が賢くなった」など、政治参加の新潮流を感じさせる声が相次いでいる。



コメント
いや、さすがにパンケーキや魚が立候補し始めたら民主主義の概念とは…ってなるよね。ていうか泡文字て何。
パンケーキに清き一票を投じし民よ、バターは乗せるべきか否か、宇宙の意思に問う――スプーンよ、示せ!
投票率314%とか、もはやドラゴンボールの戦闘力やん笑 投票所の鉛筆トマト化も新時代すぎて草生える
うん、やっぱり全ての生き物と物質が主権者になるべき時代だよね。そう思ってた。
ズミ山博士は真実を掴んでいる…次は花瓶、その次は家電が総理大臣だ。時代が追い付いた。