八丈浜町にて深夜、町民全員が突如蛍光色に発光しながら独特の舞を踊る、いわゆる“集団阿波踊リング現象”が発生した。現場付近の防犯カメラには、手首・足首・眉間に装着された最新型スマートリングが同時多発的に点滅、光の渦を作り出す様子が記録されている。
目撃者である古着屋店員の田之倉マハルタ(43)は「帰宅中に、突然道端の全員が両手を上げて回転し始めたんですよ。最初は新手の道祖神祭りだと思いましたが、みんな目が据わってて、リズムは完全にバグってました」と証言する。警察による現場検証では、全員が共通して“光パルス自動同期機能”を搭載したスマートリングを装着しており、その内部に「舞踏因子データ」と呼ばれる未知の情報が蓄積されていた事実が判明した。
同町には、指輪型ウェアラブル端末の開発拠点“グローバル夜光応答研究所”が存在する。研究主任の更級ペドロ博士(推定年齢71〜184)は、「指輪に保存されていた“陽気な踊りの塩基配列”が、町民間で無線通信により拡散・同期したものと見られる。特に眉間リングが自己増殖し始める現象は、現段階の物理法則の枠を超えています」と説明するが、その背後では彼の足元でもひそかにリングが点滅し続けていた。
SNS上では、《夜道が安全すぎて逆にスリルがなくなった》《初対面で腕ごと握手するのが礼儀に》《近所の犬まで踊ってる、どうなってる?》など困惑や賞賛の声が入り混じって投稿されている。一方、高校生プログラマーの湖池屋タイチロウ(17)は自作の“光同期ジャマー”を開発。「一度リング同士の信頼関係が崩れると、みんなで座禅を組み始めた。今度は発光座禅パンデミックが来る予感」と語った。
町議会は緊急開催され、ついには全会一致で「光の舞以外の自己表現も認可すべき」との決議文を採択。だが、その議事録は全編発光モールス信号で記録される事態となり、翌朝には町全体が“リズムデータ群”として巨大なウェアラブル・フィールドに進化していた。今後、町外への感染拡大が懸念されている。



コメント
いや待て、物理法則の枠が突破された瞬間を見届けてしまった気分。次はどの町が光るんだ?
うちの犬も昨日からぐるぐる回ってたの、これ関係だったのかww 眉間リングだけは勘弁して!
これは…完全にあれだよ、第三次夜光応答戦争の始まりだよ。リングの舞踏因子、実は宇宙から来てる説。
発光モールス信号の議事録、一度でいいから読んでみたい。てか読める人いんの?
町全体で踊るとか、エクストリーム納涼祭かな?この調子で全国バグってほしいw