朝から全国各地の推し活勢が集う巨大イベント『推し色煎餅まつり』で、煎餅が自己主張を始めるという前代未聞の騒動が発生した。推し色で染められた煎餅たちが突如として会場を縦横無尽に駆け巡り、グッズ交換よりも煎餅追跡に躍起になる参加者たちが続出。推しとの距離を縮めるはずの“推し色グルメ”が、なぜか推しとの距離を物理的に拡げているとの訴えが相次いでいる。
主催の『全日本推し色推進協会』が開発した最新公式アプリと連動し、会場中に配置された推し色煎餅。各自のスマホが推しボイスで「煎餅をひと口どうぞ」と誘導するが、実際に食べようとすると煎餅たちが自走し始め、推しジャンルごとに決められたルートを疾走。記者が確認しただけでも、『群青ロックフェス党』推しの青煎餅がフルマラソン級の速度で逃げ、黄色煎餅はジグザグに蛇行、ピンク煎餅は一列縦隊を組んで“推しワゴンパレード”状態となっていた。
一部のオタ活猛者たちはグッズ用ネットを片手に煎餅を追跡するも、『私の推し色だけ国内逃亡し始めた』『地球の裏側まで煎餅が逃げた映像が公式アプリに届いた』など、SNS上では推し色難民の嘆きが多数投稿されている。会場内の巨大スクリーンには、リアルタイムで推し色煎餅の現在地が表示される機能が登場。しかし位置情報はなぜか毎分“アゾレス諸島”や“太平洋上空”などをランダム表示し、参加者たちは“推し色追跡世界一周オンラインくじ”まで自作している始末だ。
さらに、煎餅の“推しボイス”機能も暴走。捕獲に成功した煎餅に耳を近づけると、「残念、推し色交換!」「食べる前に3周回って!」など意地悪く命じる仕様が次々と発覚。中には、推し本人のはずが“なぜか上司の声”や“幼稚園児語”になる煎餅も現れ、大混乱を極めた。専門家の由良ヒサシ氏(推し色心理学)は、「推しとの距離は物理法則を超越する。推し色が自己防衛に目覚めた今、私たちは次元の壁と向き合わねばならない」と真剣に警鐘を鳴らす。
本来“推しとの絆を深める”はずのイベント。だが今回は『推し色ほど己から遠ざかる』逆転現象によって、移動距離なら推し活史上最大級を記録。イベント後、主催は謝罪の意を示しつつも、「次回は“推し煎餅宇宙逃亡編”を検討中」と前向きな姿勢を表明。参加した会社員(28)は「帰宅途中、煎餅の幻影に追い回されています」と涙ながらに語った。推し活は、ついに地球の重力をもふわりと飛び越え、無限遠点へと進み始めたようだ。



コメント
ちょwwwマジで俺の推し煎餅、成田発ハワイ行きのルートに乗ってて草生えたww次からはパスポート持って推し活しますww
冷静に考えて、なぜ煎餅が自走&ジャンル並走する必要が…というか位置情報アゾレス指定はバグなのか仕様なのか。主催、次はちゃんとデバッグしてくれ。
煎餅とは本来、追うものでも追われるものでもない。推し色はすでに我々の心に在る——つまりは、煎餅を食べる前に自分と向き合えという運営からのメッセージ…納得。
☝( ◠‿◠ )☝←煎餅捕まえようとしたら上司ボイスで怒鳴られたんだけど、これ私の人生の推し色なの?
やはり…推し煎餅暴走の裏には全日本推し色推進協会と国際せんべい連盟の陰謀が隠されているに違いない…みんな目を覚ませ!(でも来年も申し込む)