巨大カブ型都市の“人間採用”が大失敗、住民全員が転職希望カブになる

市役所前の通りで、カブ型スーツ姿の人々が葉を振って挨拶し合う様子の写真。 人口減少経済
カブ型生命体となった市民たちが市役所前で活気にあふれる出勤風景。

人口減少による企業誘致争いが激化する中、鳥取県の端に位置する“巨大カブ型未来都市・カブ田市”が斬新な人材確保策に挑戦。しかし、その結果、街の住民の99%が「転職希望のカブ型生命体」へ変身する奇妙な事態へと発展した。

今年の春、カブ田市役所は人口減を逆転させる秘策として、“ユニークな働き方改革”を目玉にした大規模企業誘致キャンペーンを開始。新たな移住者に対し、『カブの形で出社すれば初任給100万円、カブの葉を振って挨拶すれば昇進3倍速』という、独自のカブ型労働契約を導入した。これが全国の転職者や就活生、果ては介護サービス業界に至るまで熱狂的に迎えられ、移住希望者が殺到した。

しかし、キャンペーン開始から2週間後、次々と市民が「カブ型スーツ」に常時着替え出社。そのうち住民の間に“本物のカブになりきるほど昇給が早い”という都市伝説が広がり始め、やがてAI社長(社長AIゴンブリ・ホワイト)が“勤務中に根を伸ばせる社員は役員候補”と発表したことで状況はさらにエスカレート。市役所関係者のツル田芽衣子(51)は「出勤時間になると市役所前が巨大なカブ畑にしか見えなくなり、誰が誰だか全く分からない」と苦渋の表情で語る。

転職市場では“未経験OK!カブなら尚可”の求人が溢れ、地元企業もカブ型社員用デスクや土壌ミーティングルームを緊急導入した。また高齢者の介護サービスでは、ケアワーカーが朝夕の水やりと追肥に追われる新業務が発生。「葉の色つやで元気度が把握できて効率的!」と前向きな声も。だが一方で「根が張りすぎて家に帰れない」「急な出張で抜くのが大変」といった深刻な苦情もSNSに続出。ツイスト型カブになる転職セミナーも流行し、地域の共助社会は“お互いの根を踏まない”配慮に満ちている。

一方、地方消滅を危惧する専門家からは警鐘も。未来調査機構主任の竹浦みの吉は、「完全カブ化社会が広まれば全国の自治体が“消滅カブり都市”化し、人類そのものが根菜経済に淘汰されかねない」と指摘。しかしカブ田市の現地からは、「カブ型通貨による新経済圏創出」や「カブ抜き式起業フェアの盛況」など、従来の企業経営に囚われない繁栄の兆しも見られる。市役所は「来年度、ダイコン型人材も試験的に受け入れる」と発表し、混沌と発芽は続く一方だ。

コメント

  1. 最後、全員カブになったら人間の仕事は誰がやるんだ…??そしてAI社長が根をチェックする未来、SFにもなかったぞ。

  2. ワシの近所にもカブ型生命体が侵食開始しとる。次はダイコン型が攻めてくるのか…カブ文明の夜明けが来るで〜。

  3. カブの葉で挨拶して3倍昇進wwwワイも転職したい!!!でも出張で抜かれるのはシュールすぎ。

  4. 納得しかない。葉っぱのつやで健康診断できるなら、もう健康診断いらんし、カブ経済圏の方が合理的まである。

  5. 自分はすでにカブだった可能性…?最近土に還りたくなるのも全部これのせいにしていいですか。