全国の農業地帯で、突如として現れた“逆さま森林”が生態学者や地元住民の間に波紋を広げている。木々が根を空に向けて生い茂り、枝や葉が大地に潜り込むこの現象は、従来の自然概念を根本から揺さぶる未曾有の出来事だ。
ことの発端は、惑星科学者イグナツィオ・ハラマンド（59）がモデル農場で目撃した“重力反転種”の苗。通常なら太陽光を求め空へ伸びる新芽が、すべて地中に頭を突っ込み始めた。わずか一晩で10ヘクタール分の作物が、根が天に舞い上がる“逆さま林”に置き換わっていた。農業組合のアナスタシア・クシェレフ（47）は「あっけにとられた。土の中に鳥の巣、空にイモムシ。世界がぐるぐる回る音がした」と証言する。
調査団によると、逆さ森林の土壌には通常の数十倍の“構造不明有機分子”が検出された。これを摂取したミミズは直立二足歩行で地上を徘徊、ドジョウは空中浮遊し“雲泥交換”による新たなバグ型食物連鎖が発生。グリーンインフラ推進協議会のラファエル・メンスキー（38）は「循環型社会の究極形といえる。ただし歩きスマホは100%転倒する」と慎重な見解を示す。
エコツーリズム団体はこの異常事象を逆手にとり、“逆さ冒険ツアー”を催行。参加者は上下逆転ゴーグルを装着、地面に潜る太陽花やパンチング土竜と遭遇し“大地を泳ぐ体験”を満喫するという。しかしある小学生（9）は「園内の小川で逆さまに泳ぐ鮭を釣り上げようとして、自分が天井にくっついた」と語り、体験後もしばらく重力感覚がバグる人が続出している。
本現象の拡大により、政府は急遽『根上がり対策特別室』を設置。植林活動家のゴーダ・テツロウ（43）は「逆さ森林をどう保全・活用するか、新たな社会モデルの到来だ」と期待を語る。一方で、湿地帯住民からは「夜な夜な逆さカエルが家に忍び込む」「冷蔵庫が上向きに勝手開閉」といった怪現象報告も絶えない。次第に意味を失いつつある“地上”と“地下”の境界──食物連鎖も持続可能性も、今や本気で天地がひっくり返っているようだ。
コメント
地に根を張るって言葉、もう使えなくなる日が来るとは…！生態系ガチでバグってて笑う。
私は知っている…これは重力省略機構による人類選別の序章だ。今こそアルミホイルを頭に巻く時！
逆さまに泳ぐ鮭を釣ろうとして天井に、って物理とは。サカサ報告、現場は混乱してるのでは？冷静に対策をお願いしたいです。
え！？俺も逆さ冒険ツアー参加したい〜！逆さミミズと握手会とかないの！？
なるほど、冷蔵庫が上向きに開く時代か…これで夜中にアイス箱ごと落ちてこなくて済む。逆にありがたい。