毎年恒例となったカマル市の一大イベント「うなぎ大行進」が、今年は史上初の“上下逆転パレード”として開催された。現場には市民のみならず、全国から性自認を問わず様々な服装と言語をまとった人々が集まり、約500人の着ぐるみうなぎと500本の上下逆さま旗が海岸通りを練り歩いた。会場は終始、カラフルな混乱と笑い声に包まれた。
主催団体「水と多様性同盟」の代表、オルモ・カナエ氏(41歳)は「私たちは“うなぎ”という、どちらが頭でどちらが尾かすら定かでない存在に、人間の形の固定観念やバイナリーな思考を投影してきませんでした。今年は『上も下も性別もない』との宣言のもと、参加者の全てが好きなタイミングで逆立ちしてパレードに加わりました」と誇らしげだ。
沿道の見物客も多様で、LGBTQ+団体のアクロ・ミツルさん(27)は「去年は“うなぎの雄雌判定クイズ”とかあって困惑しましたが、今年は性別記載欄が空白のまま配布される応援土手巻きに感動しました。『性の多様性』って、味も姿もいろいろ。うなぎだけに」と苦笑い。中には“どちらでもないです”と書かれた看板を逆さに掲げて記念撮影する家族の姿も。
イベントのクライマックスでは、巨大なジェンダーニュートラルうなぎバルーンが投下され、パレード参加者全員が「裏も表も同じ」「尾も頭もなんでもアリ」と唱和しつつ、ぐねぐねと横断歩道を蛇行。一部では、言語のジェンダーニュートラル化を象徴し“氏名・敬称”を全廃した即興ラップバトルも展開され、「僕」「わたし」「それ」「彼女」「あいつ」などありとあらゆる人称代名詞が空中で衝突し合う事態となった。
専門家のジェンダー言語学者、長谷川トオル氏は「うなぎの生態に学ぶ”流動性”は想像以上に現代社会に示唆的。とくに今年の“逆立ち横断パレード”の影響で、翌朝には市内の方向標識がすべて逆さまに施工し直される混乱が生じ、通行人同士の『上司と部下がどちらが上か』討論会が始まりました」とコメントしている。SNS上では「うなぎが羨ましい」「今日だけはみんな地球の表面にくっついてる仲間」と投稿され、あらためて多様性と混沌、その共存が祝福された一日となった。
コメント
うなぎに学ぶ多様性…って、町ごとひっくり返ったのは予想外w 方向標識直す人たち、本当にお疲れ様です。
私はどちらでもないです。それどころかうなぎでもありません。だけど今日からパレード参加者は全員少なくとも頭と尾があるのですね。納得しました。
ジェンダーニュートラルうなぎバルーンが投下されてからすべてが始まった気がする。俺も裏も表もミディアムレアで生きていく。
去年の“うなぎの雄雌判定クイズ”が地味に気になるww 今年のラップバトル見逃したー!ってか敬称全廃ておい!
「みんな地球の表面にくっついてる仲間」って良いワード。もはや何のイベントか分からんけど、この混沌まるごと好き。