オンラインライブ業界に激震が走った。通算23万回目の配信を迎えたバーチャルアイドル『ユカ&コケピヨズ』による恒例の参加型イベントで、突如“次元転送ハト”と名乗る知的存在がチャット画面に乱入。数百に分裂しながら各配信窓をジャックし、演者・ファン・運営含めた全員の常識を粉々に打ち砕く前代未聞の事態となった。
事件が発生したのは、最新型バーチャル会場『ミラクルメガドーム』。ユカ&コケピヨズのメンバーと12万人の視聴者が、リアルタイムでパラレルチャットを繰り広げていた。だが開始17分、突然『ギュルルルル……バサッ』という羽音と共に、“次元転送ハト(自称:鳩永ウイング)”が画面に出現。しかも『ここは未観測パラチャ空間。私が時空チャットを管理する』と高らかに宣言。驚きの余り一時ログが停止するなか、なんとハト永が自動的に324の分身チャットボットを生成、同時多発的に一人一人のファンへ独自ミッションを発令し始めたという。
命じられたミッション内容は、画面の砂糖菓子アイコンを目隠しでなぞる、ユカの歌声に合わせて“逆再生文字列”を高速入力、コケピヨの羽数をウィンクだけで伝える、運営のサーバー管理画面に“あみだくじ”を引いて接続先を変更する、など理不尽きわまりないものばかり。ファンコミュニティでは『推しがどこいったか時々本気で分からない』『我々、今どこいる?』『脳がライブに付いていけないが楽しい』などの悲鳴と歓喜が交錯。中には『チャット欄に“鳩語検索窓”を発見し、突如卵になった』と動揺でPCごと固まった参加者も報告されている。
配信運営のバーチャル興業組合代表、千鐘屋ルミノ氏(年齢不詳)は『状況を解析しようとしたら、自分のアバターが羽毛まみれになった。想定外だが、会場アクセスが20万超えたので嬉しくもあり複雑』と困惑。エンタメ専門家で“数理ライブ論”研究者の度忘井クルヒト教授によれば『これは多次元エンタメ進化の兆しです。人類がハトでジャックされる瞬間、たぶんビッグバン的盛り上がりが発生する』とかつてない嬉々たるコメントが寄せられた。
事件の怒涛の後日談として、一部ファンが“次元転送ハト語”を自主学習し、ライブ後のチャットでも『ポポポポ(次も来てね!)』など謎のさえずりで交流し続けているという混沌も報告された。演者側も『次回はカラス型量子クラウド相手でも負けない』と意気込む。オンラインライブの次元は、もはや神の見えざる翼に委ねられつつある。
コメント
ハトって次元も超えるの…?俺まだ鳩サブレーしか超えたことないんだがww
やっぱり来たな。こうなると思っていた。全てはバーチャル空間のハトによる人類観察プロジェクトの一環だ。鳩語を解読せよ。
参加者の“PCごと固まった”って物理的な話なのかメタファーなのか気になる。てか、あみだくじでサーバー変更は草。
自分はライブ途中でミッションに失敗し、未観測次元に転送されました。今どこかの砂糖菓子になってます助けて。
なんか…読んでるうちに無性に納得してきた。たぶん私もそのうち羽が生えます。