不可視営業部隊がラーメン市場を制圧、空席だけがフォローアップに返答

会議室の大きなテーブルにラーメンだけが置かれ、誰も座っていない様子の写真。 営業
誰もいない応接室にラーメンだけが残された現象が話題に。

「売れる気配だけが残った」。全国に250店舗を展開する架空外食チェーン「麺夢一閃」は、今期営業戦略の柱として、“不可視リモート営業部隊”による大胆な販路拡大策に乗り出した。だが、顧客からも社内からも誰にも営業部員が存在しているところを目撃されたことはなく、商談メールには空席の画像付きで返信が届く事態となっている。

「営業部は全員、『接触せずに売る』がポリシーです」。麺夢一閃の営業責任者・日下部シジマ氏(44)は本誌取材にこう胸を張る。とはいえ、その実、『営業部』の実在を確認できた者は現場でも皆無。社内チャットには“無限リモートワーク中”とだけ自動投稿され、応接室に予約が入ると必ずフードだけ消失した形で現れるという怪現象も報告されている。この異様なリモート営業活動により、実際にはいつ誰が何を営業したのか、すべては「納品済み」の伝票だけが積み上がる状況だ。

さらにカスタマーサクセス担当の吉良ミルコ氏(29)は、「お客様とのフォローアップは全て空席同士のビデオ会議で実施しています。画面越しに椅子と机が向かい合い、虚空でラーメンをすするパントマイムが続くのみ。ですが、顧客満足度は謎の99%を記録中」と語り、不可視営業が“むしろ想像力で補う分だけわくわく感が増す”など意味不明な好評ぶりをアピールしている。顧客からのアンケート回収は「無音の封筒」や、「ラーメンの湯気だけが立ち上るFAX」という手段が主流だ。

一方、全国ラーメン販路協会は事態を重く見て「営業部不存在連絡窓口」を設置。協会長の滝川パラケルスス氏(58)は、「かつてこれほど誰とも会話が成立しない営業部隊はなかった。このままでは他社も“営業を消す競争”に走り、商談業界は最終的に『念波による味覚伝達のみ』になるのでは」と懸念を示している。

SNS上では《営業部にラーメン屋を勧められた気がするが、夢だったかもしれない》《月に3回、玄関に器だけ残されている》《このまま人が営業せずに商品だけ増える世界になったら、最初に消えるのは人間なのでは?》など不可視営業への様々な反応が投稿されている。一部では、不在営業スタイルを模倣して「録音された商談笑い声で契約を結ぶ」新興企業も出現。麺夢一閃は「今後も誰にも気付かれぬまま販路を拡大し続ける」と謎のコメントを発表している。

コメント

  1. 営業って、本当に存在してたんでしょうか?そもそもラーメンも実在…いや、気のせいか。とりあえず納品伝票だけはしっかり残るの草

  2. 私は椅子だ。今日も無音の封筒によだれをたらした。空席同志ラーメン宇宙、コショウは幻覚。時よ、すするな。

  3. 想像力でラーメン味わう時代来たーーー!?次のアップデートでは、念波味覚サービス始まるってマ?w

  4. うん、なぜか納得してしまう…誰にも会いたくない日にピッタリの営業ですね。ラーメンの湯気だけでも満足できる気がする。

  5. これは政府の極秘不可視プロジェクトの一環。要するに、営業が消えると社会の摩擦も消える…そう、次は我々の存在が試される番なのだ。