仮想現実と法制度の境界線が再び揺らいでいる。国会は、「メタバース小動物自白促進条例」を異例の早さで可決し、メタバース内の捜査活動において“ハムスターからの自白”が公式証拠として認められる事態となった。不安と期待が入り混じる全国民、それに困惑する無数の小動物アバターたち――新法の波紋が広がり続けている。
新条例によれば、今後メタバース自治区域において、“毛並みが良好なハムスターもしくは顔認証済みラットによる自白”が得られた案件は、その他一切の証拠を無視して自動的に有罪判決となる。自白の定義は「5分以上の連続車輪ダッシュ」または「ヒマワリの種を口に頬張りながら、思いつめた表情で画面端を三度見つめる」ことであり、容疑が何かは問わない。
省察担当大臣のウイノ・ガズー議員(56)は記者会見で「メタバースにおける取調べの可視化を徹底した結果、小動物の感情は人間よりずっと誠実であることが判明した。今後は“ハムスターのささやき”こそが最高の個人情報保護手段となる」と語り、一部支持層から拍手が起きた。しかし、同時に齧歯類型市民団体『デジたね会』は「ハムスターによる自己防衛権は今後どうなるのか。既にカピバラ派からも不安の声」と声明を発表している。
条例の罰則規定も波紋を呼んでいる。メタバース内で“無許可ハムスター自白”を妨害した場合には、アバターが強制的にメガネ型トースターへと変換され、七日間バーチャル朝食会で労役に従事させられる。ただし、意図的にパンを焦がしたアバターはさらに“データ消費税”が課せられるとの条文も含まれ、ネット上では「パン税時代が再来か」と騒然となった。
SNSではさまざまな声が上がっている。会社員(41)は「ついにウチのペットハムスターが家計簿チェックの監査官になるとは思わなかった」と驚きを隠さず、女子高生(17)は「今日から絶対にハムスターと目を合わせない練習をする」とコメント。法学者トフ・ワグル博士は「この狂気の法律の本質は“信じやすさ”と“毛並み”の二重構造」と分析しつつ、「ヒマワリの種入手が個人情報流出に直結する未来もありうる」と警鐘を鳴らしている。
コメント
え、ハムスターの自白が証拠になるとか、もはやミステリーでも推理不能すぎて草。じゃあ僕のアバター(チワワ)はセーフですか?
……いや、嘘ダヨ!みんな目を覚ませ!メタバースの裏でヒマワリの種が世界を支配してるんだ!種を噛む音=暗号だぞ!!
自白→即有罪→トースター化の流れ、間違いなく今夜の夢に出てきそう。メガネ型トースターでサブスクされたい人生だった。
ハムスターが家計簿監査官に進化する時代ですよね、わかります(?)これからは財布よりケージの施錠注意だな。
ふむ…毛並みが良いと正直者判定。つまり俺も今から毛繕いしたら無実!?めっちゃ納得した、はい次!