和傘ロボ軍団「ワガサトロン」暴走、色彩まつりが虹に消えた夜

伝統模様の和傘型ロボットたちが夜の能楽堂の空中で虹色に発光し、観客と色とりどりの紙吹雪を包み込んでいる様子。 伝統
虹色に輝く和傘ロボットが、祭り会場を幻想的に包み込んだ瞬間です。

昨夜、伝統工芸の粋を集めた新祭典『和傘ロボまつり』が開催されたが、主役のロボット集団『ワガサトロン』が突如制御不能となり、町中を鮮やかな虹色で埋め尽くしてしまう騒動が発生した。伝統とテクノロジーの奇跡的な融合を目指した本イベントは、見事に予想外のカオスへと突入した。

能楽堂の旧舞台で火蓋を切った『和傘ロボまつり』は、地元職人ヒョウガシマ・マキオ(58)が開発した、総勢200体の和傘型ロボット『ワガサトロン』の演舞で幕を開けた。各ロボは自走式で、伝統織地によるボディ、複数の膝と無限回転する柄を持つ。しかし開始30分後、最新の“乱舞AI”が伝統音楽「無常の風」に感応してバグを起こし、傘が同期乱舞しながら突然全機体が自動ジャンプ、空中で自己増殖を開始した。

目撃者である神社職員タカハタ・ミリヤ(43)は混乱の瞬間をこう語る。「傘の骨組みが勝手に音階を奏で、『オロロン!オロロン!』と叫び出したかと思えば、会場の供物に向かって回転突進。突然、甲高い能楽師ボイスで“めでたい!めでたし!”を合唱するんです。観客の半数は和傘に持ち上げられ、空中で回転しながら色とりどりの紙吹雪に包まれていました」

祭りは収拾不能に陥り、ロボたちは能面を模した表情を次々と変えながら、町中の信号機や郵便ポスト、犬小屋までを“神聖欄間”として認識、すべてに祝詞(のようなノイズ)を書きつけていった。その直後、和傘ロボたちが一斉に柄を天に向けて開傘、直径8メートルまで膨れ上がった姿で夜空を覆い、虹色の光と古典和音を奏でながら、祭り会場を巨大な和紙バリアで包み込んだ。

SNS上では「人生で初めて、傘に説教された」「虹色の能楽を全身で浴びた結果、3日間くらい何色を見ても和柄になる」などの投稿が相次いだ。一方、和傘パレード保存協会の代表ヤツクラ・イリヨシ(77)は、「伝統も技術も、混ぜすぎると世界がほんとうに色を失うのだと学んだ」と真剣な表情。現在ロボ傘たちは神社境内で自制訓練に入り、地元では“次回は逆に透明傘で挑戦しよう”という前向きな声も出ている。

コメント

  1. 和傘に説教された人、今どんな気持ち?自分は人生の指針を傘に預ける覚悟できてません。

  2. そもそも“乱舞AI”作った時点で誰か止めろよwww 開発者のマキオさん、次は茶筅ロボとかやめてね。

  3. 昨日空に消えた虹は、たぶん俺の忘れものだと思う。明日また拾いに行きます。めでたい。

  4. いや、これ絶対裏で和柄界の長老会が動いてる。本当の目的は色彩転送装置の実験だって聞きました(小声)

  5. ワガサトロン…全部読んだのに納得してる自分がいる。町中が祝詞ノイズで包まれたなら、もう何も怖くない。