スポーツ観戦の常識が、ついに音を立てて崩れた。全国推し応援連盟が主催した『第1回 ファン・パワーボール決定戦』会場では、得点を競うのは選手ではなく、なんと観客たち。応援の“熱量”が実際の試合スコアに反映されるという「観客得点制」を導入した結果、会場はパニック寸前の大混乱となった。
ルールによれば、応援合戦専用アプリ『YEAH!Official』を用いて、ファンゾーン内で叫んだフレーズやSNS実況の“キレ”に対して公式審判団が即座に得点を加算。その数値が、選手の実際の得点に自動的に反映される仕組みだ。実況の大波に乗った山越ヤンキーズ応援団が「イモムシダンス」を披露し“勢い4000点”を獲得した瞬間、スコアボードでは物理的に存在しない3.5兆点がカウントされた。
奇妙な現象は続出した。ファンが延長戦を望むと、アプリが強制的に“永遠に終わらない延長”を発動し、深夜2時までフラミンゴ仮装で応援し続けた田尻ナナ(36)は「推しのためなら睡眠も献上」と語った。一方、公式SNSでは“推しのゴールを暴走カメラで逆再生した”との謎伸び投稿が拡散、スポーツバー各所でスタグルならぬ「応援メニュー食べた人には得点500点を加算」とのまかない合戦まで始まった。
当然、選手や運営側は困惑を隠せない。公式審判長の斧田一郎(57)は、「審判の笛よりファンのハートが試合を動かしすぎて、我々の存在意義が消滅した。私の冷やし中華まで推し活の得点になっている」と語る。観戦ツアーバスは途中でファンゾーンに吸い込まれ、乗客全員の切符がゴールポストとして流用されたが、運営側の説明は曖昧なままだ。
専門家筋は「キュウリに2万得点、先端の旗に25万点、アプリのバグで会場が宇宙規模拡張」など数々の異常を指摘。しかしファンたちは「推しが得点すれば地球も回る」と前向き。「熱狂が現実を書き換える時代が来た」とする声もある。現在、本大会の優勝は『ファン全員』と発表されたが、誰も試合結果を正確に覚えていない。
コメント
もはやスポーツなのか何なのか迷子すぎて草。審判よりファンのほうが偉い世界線は新しすぎる。
私は見た、フラミンゴ仮装の夜明けを…アプリが宇宙を拡張した時、世界は推しで満ちるのだ…イモムシダンスとともに…。
やべぇ、推しの名前シャウトするだけで3.5兆点ゲット!?次の大会、俺のカラオケ十八番で地球爆発させます!!
推しのパワーでスコアボード壊れるの、よく考えたらあり得るよね。だって好きって重いもんね…。
全部アプリのバグは運営の陰謀。本当は審判も推しだった説あるし、冷やし中華がカギ握ってる。見逃せない。