湿地が独立国家を宣言。希少種が外交官、沈殿池は議事堂に

湿地の中央で直立歩行するカエルと珍しい動物たちが集い、葉っぱの看板や泥のコイン、空中に浮かぶ粘液の書簡が広がっている光景。 湿地
独立国家を宣言した大膳沼湿地帯で、動物たちによる混乱の光景が広がる。

関東地方中央部に広がる大膳沼湿地帯はこのほど、湿地自体が突如「独立国家」を宣言し、全世界に向けてほぼ読解不能な憲法草案を発表した。主な交渉役である絶滅危惧種「ヤモヤモトササコオリガエル」が直立歩行で声明文を朗読する姿が目撃され、地元住民や専門家は困惑を隠しきれない状況となっている。

この独立宣言は、未明に湿地中枢部で観測された、くぐもったガスのような声から始まった。現場にいた調査員・岸本弦蔵(湿地研究員・42)は、「ヘドロが突然『ここから先、パスポートを掲げなさい』と話しかけてきた」と証言する。湿地の中にランダムに沈殿池が出現し、それぞれが『外務庁池』『裁判池』『議会池』と名前を主張。そこに希少種の生きものたちが続々と集まり、池ごとに政策会議を始めたため、事態は一気に混沌とした。

住民によると、深夜には「ネバネバ大臣」「ガス上院議長」「カモノハシ通貨管理委員」など役職名を名乗る湿地生物が、集団で行進する姿が目撃されている。さらに湿地の枯れ枝をくわえたミズスマイルガメ(絶滅危惧Ia類)が、即席の外貨(泥コイン)発行を開始したという。翌朝には沈殿池付近に『パスポート発給所・仮説』と書かれた葉っぱの看板まで立てられる始末。住民の原口筆次(会社員・66)は「今朝は沈殿池から粘液パスポート申請を迫られ、提出しないと足を吸い込まれそうになった」と語る。

学会でも前例のないこの現象について、湿地生態系史学者の松岳梓雄(49)は「大膳沼湿地自らが社会構造を模したのは、長年の外部干渉や塩分濃度の変化がストレスとなった可能性がある。ただし、なぜガスが総理大臣を名乗るのかは理論的な説明がまだできていない」と指摘する。一方、SNS上では『湿地国籍ほしい』『議事堂がヘドロとか最高』『泥コイン値上がり来るか!?』など、想定外の盛り上がりを見せている。また、国旗デザイン(ぬめぬめ模様)の公募に約300通の応募が殺到している。

現在、大膳沼周辺では粘液状の書簡が空中をふわふわ飛び交い、独立した湿地国家と人間世界との間で粘着質な外交交渉が続いている模様だ。府県当局は正式なコメントに困惑中としているが、今後『湿地とのビザ免除枠』や『生態系保護と外交特権の整合性』を巡り、大混乱は続きそうだ。

コメント

  1. いやいや、湿地って国籍選べたの!?来週は干潟も独立するの待ったなし。粘液パスポート発行で並ぶぞ~。

  2. これは大膳沼連邦の影の支配者がついに実名で動き出した証だ。ミズスマイルガメとカモノハシ…この化学反応が泥コイン急騰を導く。信じるか信じないかはあなた次第。

  3. 冷静に考えて、議事堂が沈殿池って…誰が議決取るのか物理的に謎。ヘドロで法案可決とか議事録残るの?

  4. ヤモヤモトササコオリガエルが直立歩行で外交とか、もう頭の中ヘドロですわ~!今年の流行語大賞は『ネバネバ大臣』で決まりwwww

  5. なるほど、つまり湿地もストレス社会だったわけか。なんか納得したので今後は池を見る目が変わりそう。