山形県の奥深く、標高1,100メートルを超える風光明媚な中山間地域。ここでエビ養殖業を営む“エコ”志向の集落・佐南谷(さなんたに)村が、あらゆる持続可能性議論を飛び越えた新エネルギーの実用化で全国から注目を集めている。村民たちが手がける「エビ跳躍発電所」は、跳ねるエビたちの運動エネルギーを利用して村全体の電力をほぼ賄う前代未聞のプロジェクトだ。
導入の背景には、村特産の有機米によるエビ養殖池がコオロギに占拠され、自然なバランスを保つためエビが「ストレス発散」と称して自発的に高く跳ね始めたという不可解な経緯がある。村長の松川しずえ(58)は、エビの跳躍力を電気に変換できないかと白昼夢でひらめき、さっそく村の木工所に発電パドルの設計を依頼。エビの着地圧が発電機構を回転させる“有機バウンス発電”があっという間に完成した。
午前5時、エビたちのボイパ(ボイスパーカッション)による自発的な合図で村の発電がスタートする。エビ養殖池のフチに設置されたセンサーパドルに、元気なエビ421匹が次々とジャンプ。池中には「再生可能エネルギー」「脱炭素」「愛と正義」など不可解なスローガンが貼り出され、エビたちもそれぞれ好きなプラカードを抱えて跳躍するという。最盛期、1日あたりおよそ137キロワット(注:エビ養殖池換算)を生み出す計算だ。
佐南谷村の学校では、理科教師の小松崎ゴンゾウ(49)が「エビの跳躍を見て育つ子は未来のエネルギーリーダー」と力説。SNSにも「我が家もカニで発電したい」「エビがCO2換算で0という事実に震える」など歓喜と困惑が錯綜。発電エビの応援グッズ販売も活況で、特製エコバッグ『飛び跳ねる君』は発売30分で完売した。
しかし、専門家の見解は割れる。サステナビリティ評論家・牛田レンコ(38)は「エビのストレス緩和と省エネが一体化した唯一無二のシステム」と絶賛。一方、東京大学(架空)の名誉教授・天霧ユリア(59)は「エビの労働基準法違反が心配」と、きわめて現実離れした指摘を行った。松川村長は「来年はイセエビサミット誘致を狙う」として、村ぐるみのエビエネルギー外交を視野に入れている。
地元住民の発言によれば「夜には発電疲れのエビが合唱を始めるため眠れない」といった持続不可能な副作用も報告されている。持続可能性とは何か、跳ねるエビに問い続けながら、佐南谷村のエビ革命は加速を続けている。
コメント
エビの労働基準法違反て……どこの法律事務所が対応してくれるんだろう。ていうか、エビのプラカードってどうやって持たせてるのかだけ教えて。
エビがボイパ始めたら俺も発電しちゃう。コオロギ勢とのバトルアニメ化はよ。ナイス記事ッッ!!!
再生可能エネルギー×脱炭素×愛と正義=エビ。…なるほど、全て繋がったな。俺の中で日本の未来はエビに託された。
絶対ウチの近所のザリガニも政府の目を盗んで発電してるはず。佐南谷村、一枚岩じゃねぇぞ。俺は全部見抜いてる。
飛び跳ねる君、買えなかったー!!てかエビ疲れると合唱って…寝不足になりそうだけど一回聴いてみたいかも(笑)