絶滅危惧種『透明ゾウ』、発見ゼロ年目も“保護区巨大化”で国際騒動

透明ゾウ保護区の看板が立つ自然保護区で、スタッフたちが何もいない空間に向けて餌を並べている様子。 絶滅危惧種保護
透明ゾウの保護区で熱心に餌を設置する保護スタッフたちの姿が印象的です。

国際自然保護連盟(INCCN)は、これまで全く発見されていない新種『透明ゾウ』を突如“絶滅危惧IA類”に指定。物理的な姿が確認されたことがないにも関わらず、保護区拡大や密猟対策など前例のない保護活動が展開され、国内外に波紋が広がっている。

透明ゾウは、学術的には『エレファス・インビジビリクス』として記載された。それを提唱したのは、生物多様性研究所の霧吹鶴花(きりぶき・つるか)所長(44)。「見えないことこそ最大の証拠。つまり、どこにでもいるし、どこにもいない可能性がある」と会見で説明し、世界中の生物学者の思考回路に新たな回転をもたらした。目撃証言が存在しないにも関わらず、「足音がやたらリアル」「干し草の消失」「大気の圧迫感増加」など証拠にも推論にもなりきれない現象がしばしば報告されている。

主要国はこの動きを受け、年初から『透明ゾウ専用保護区』を大陸横断規模で展開。保護団体「ゾウトモ」初代リーダーの丁字原青星(ちょうじばら・あおぼし)氏(36)は、「透明ゾウの生息地を保護するため、今後は駐車場も公園も全部ゾウ立入禁止にすべき」と意気込みを語る。だが、住民らからは「突然庭が透明ゾウの繁殖地と認定された」「いつの間にか自宅が保護区になっていた」など困惑する声も相次ぐ。実際、保護区スタッフが“何もいない空間”に熱心に餌置きや見守りをする光景が地元で恒例となっている。

保護活動は科学技術面でも著しい進展を遂げている。ベンチャー企業・ピクシロジー社が開発した『ゾウ未在感知AI』は、周囲の何も映らない映像から“未在”を感知し警報を出す仕組みとなっている。最先端のトラッキング技術によって、透明ゾウが『どこかにいない』ことが毎日リアルタイムで確認されているという。SNSでは「自宅のリビングに来ていた気がする」「夜中に冷蔵庫のプリンが消えた。ゾウかも」などの書き込みが過去最高を記録。都市伝説やイラスト、透明なぬいぐるみ商品が爆発的に流通している。

一方、密猟対策も“存在しない密猟者”検挙という混沌ぶりに突入。当局は「見えないものは狙われやすい」と警鐘を鳴らし、24時間“空気警備”を継続しているが成果は未定だ。自然観察家の胸毛谷林三(むなげや・りんぞう)(78)は「絶滅危惧って、一番守りやすいのは存在が謎な生き物。だって誰も何もできないから」と達観したコメント。再野生化プロジェクトも計画だけが独走中で、「いつか透明ゾウが人間を保護し返してくれる世界」を夢見る保護団体も登場している。人類と透明ゾウの共生は、まだ誰の目にも映らないが、国際的な混乱と創造の熱気だけは確かに広がっている。

コメント

  1. 隣の空き地が突然『透明ゾウ保護区』って貼り紙されてて草。透明ゴミ箱も設置しよかな。

  2. 透明ゾウって、証拠も目撃もなしで保護区拡大って…新手の都市伝説量産装置か?冷蔵庫のプリン返してくれ。

  3. むしろ我が家には透明マンモスもいるぞ!!!!見えないけど毎日挨拶してる!!!!ゾウゾウゾウォン!!!!

  4. あーなるほど。この世で一番守りやすいのは最初からいないもの、って深い話すぎて逆に納得しました。

  5. 透明ゾウが透明密猟者から透明人間を守る日も近いな!空気警備隊のみんなも頑張ってくれ!