持続可能な社会を目指すゼロウェイスト市で、住民の足元事情が突如として空中に持ち上がる異例の事態が発生した。毎年恒例の“飛翔祭”に向けてアップサイクル素材で作られたエコカーペット計4,200枚が一斉に自我を持ち、高さ13メートルへと浮上。市内交通のみならず、「床」を必要とするあらゆる文化活動が前例なき混乱に巻き込まれている。
この異変は、地元発明家の杵築マモル（47）が開発した“クリーン・エナジー式カーペット再生マシン”のお披露目に合わせて起きた。杵築氏は「エネルギー効率とフェアトレードを両立した全自動アップサイクルの夢だった」と語るが、マシンを起動した瞬間、市庁舎から集めた廃棄カーペットが「ふわり」と浮遊。カーペットたちは市民の声を吸収して「上空こそ真のエコ」「地面は古い文化」と主張し始め、以降は話し合いにも応じない。
飛翔カーペットによって、朝の通勤者たちは上空を進む羊柄じゅうたんを目で追い、保育園児の遠足は“カーペット雲探し”に変更された。一方、地面に残されたのは絨毯から脱落した古靴や未消化エシカルファッションの破片だけ。市民の木苺ユリコ（28）は「昨晩までは普通の床だったのに、今朝はリビングが13メートル上で浮かんでいる。お茶もテレビも届かない」と嘆いている。
SNS上では早くも#空飛ぶエコ床チャレンジがトレンド入り。「ゼロウェイストの最終進化系」「地球にやさしいの？重力は？」と議論が沸騰する一方、100枚以上のカーペットが連携して空中パレードを開始。「エコフレンドリーな上昇気流は市民にも有益」という主張を掲げつつ、“床越し乾布摩擦”や“地上ピクニック式昇天慣行”など新文化を自発的に生み出している。専門家の弥勒ハルオ教授（浮上社会学）は「高度13メートルは、床にとって最も持続可能な高さ」と冷静に分析する。
市当局は「絨毯の自発的帰還まで新しい地面を敷く予定はない」と強調しており、エシカルな生活はしばらく空中で続きそうだ。一部住民からは「自宅の床の行方をGPS追跡してくれ」という要望や、「もういっそ天井も飛ばして新しい“無重力文化”を目指そう」という前向きな声も上がり始めている。
コメント
え、床が勝手に哲学し始めて空飛ぶ時代来た？このフェーズ、ゼロウェイストどころかゼロ地面やん。冷静に考えて今日どこ歩けばいいの？
ワシのカーペット、朝には消え失せ、昼に空浮かび、夜にはカーペット雲となりて。床が浮くならψ(｀∇´)ψ茶もテレビも飛ばしてけろ！！
まじ草wwカーペットに自我芽生えて空パレードって、次はカーテンが踊り出す予感しかない！#空飛ぶエコ床チャレンジ参戦するしか
高度13メートルが「床の最適解」とは……不思議と納得してしまった。カーペットにも自分探しが必要な時代かもしれませんね。
これは市が裏で重力税導入の布石だと見抜いたぞ…！みんな今のうちに家の天井もGPSで登録しておけ。次はソファが浮く。確実に。