古来より女性の経済参画を阻んできたとされる「ガラスの天井」。だが今、ある工場とその周辺で前代未聞の事態が起きている。重力を無視して上下逆さまに業務を行う社員たち、宙に浮かぶ会議室、そして原因はまさかの女性起業家による“本物のガラスの天井”量産計画だった。
発端は、「ダイバーサル・グラス工房」の新経営者となった女性起業家、山雲ルリ子(やまくも・るりこ、37)の大胆な方針転換だった。彼女は就任後、工場に従来のガラスの天井ではなく、“どこでも天井”を量産するよう指示。工員全員に「上限なしキャリア開発」の一環として逆立ち勤務を義務付け、“天井下作業”専門スキルリーダー制度を導入した。広報担当は「今やどの部屋にもガラスの天井があるので、誰でもいつでも頭をぶつけ新しい発想を獲得できます」と胸を張る。
こうした施策は市内のあらゆるオフィスビル、カフェ、果ては公衆トイレまでも覆い尽くしている。住民の一人、重森ジロー(68、花屋)は「昨日まで普通にドアから入れたのに、今日は天井から入らなきゃならない。頭を下にして花を並べるのは難儀だ」と困惑気味。だが一方、地元の小学生たちは「ガラスの天井パーカッション部」を結成。「割るときの音や響きが多様で楽しい」と活況を呈している。
また、人材多様化の推進策として本工場は、無意識のバイアス検知器を社内に設置した。しかし検知器は「職場にキリンはいない」という全社員の認識がバイアスだと警告。これを受け翌日には“時短勤務キリン枠”が設けられ、週2回だけネクタイを結んだキリンたちがガラス天井を歩くようになった。社内メンター制度は、もっぱらこのキリンたちによる「首の長い相談会」として機能している模様だ。
SNS上では「ガラスの天井、割ったらまた上に天井が出現した」「雇用機会均等なはずが、キリン枠に落ちた」「逆さ会議は頭脳が冴える」といった声が飛び交う。一方で地元経済紙の編集長・皿杓子ジュン(51)は、「ルリ子氏が次に“見えない床”を開発したときが本当の革命だ」と述べている。現場はさらに混沌度を増すばかりである。



コメント
いやいや、天井から入るとか花屋さんどうすんのw 次は窓から土を入れるサービスも始まるのか?
キリンが週2回来るオフィス、最高にダイバーシティだな。転職したい。首の長い相談会って何を相談するのw
冷静に考えて、頭をぶつけて発想力アップ理論は因果関係が逆ですよ…。社員さん脳震盪だけは気を付けて。
ウチの町の天井も今日から透明だーーッ!見えない床きたらもう上下左右わからん!500点!
あーこれはわかる。俺も昔、天井を床として使う派だったんだよね。人生、見方を逆さまにする時期あるある。