山間の里山地域で、野生動物観察会を楽しんでいた市民たちを衝撃が襲った。参加者のフィールドノートが未知の集団によって奪取され、逆に観察者が観察されるという前代未聞の“逆転現象”が発生した。事件の発端と拡大は、自然観察活動の意義そのものへ奇妙な問いを投げかけている。
事件が発覚したのは、全国生態系観察協会による秋の里山観察会。参加者である稲継ユリコさん(会社員・43)は「落ち葉の上にくっきり残る“手形”の連続に気付き、記録を書き始めた途端、ノートが消えた」と証言する。現場には大量の未熟なバナナの皮、異様に几帳面なサルの足跡、そして“観察会メンバーリスト”と思しき白黒コピーが散乱していた。
地元の里山研究家・松尾ドロシー氏(58)は、早速観察カメラトラップを設置し証拠収集を試みた。しかし3台中2台が謎のバナナスタンプを押された上、画面には“観察会メンバーたちを観察するサルの真剣なまなざし”が30分以上映り続けていた。さらに、サルたちが互いの観察ノートを読み上げ「ヒト科・観察者属・習性:好奇心旺盛」と発表会を開く場面さえフッテージに残っていた。
住民のX(旧Twitter)上では、「ついにサルに監視社会が到来」「観察ノートに謎の添削コメントが増えた」などの報告が続出。フィールドノートがサル語で赤ペン添削されて戻ってくる例や、“観察会推奨おやつ一覧(バナナのみ)”をノートの余白に書き込まれたケースも確認されている。一部の市民、特に幼稚園児は「サルの先生に褒められた」と自ら観察日記を提出し始めているという。
野生動物コミュニケーション学の権威、速水タクト教授(72)は、「生態系の双方向情報革命の第一歩かもしれない。一方で、サル視点による“ヒトの生態ノート”が流出すれば、住民のプライバシー管理に新たな課題が生じうる」と指摘する。これを受け、協会は“サル向けノート注意書き”の作成と、足跡にバナナ型反射板を設置するなど、予防策の導入を推進中である。
なお、次回観察会は“観察されても動じない心得講座”を含め開催予定。主催者の矢口平次郎さん(41)は「自然と人間の立場逆転を楽しむ絶好の機会。ノートを持つか迷っている方には、バナナかりんとう持参を推奨したい」と前向きなコメントを寄せている。今、里山は生態系観察・観察され系が共存する新次元の混沌を迎えている。



コメント
サルが論文審査の添削まで始めたのか…俺の自由研究も赤ペンチェックされそうで震えてるw
あれ…『観察者属』って分類された時点で、確かに人類も自然の一部だと納得しちゃった。サル側の生態ノート、ちょっと読んでみたいかも。
これ、里山の監視カメラ全部サルにハッキングされてる説あるぞ。バナナスタンプは警告メッセージ、常識だろ。
ヒト観察会が逆にサルに観察されたって、次はバナナで通信始まりそうw このまま進化論やりなおそーー!!
観察会の次回講座名に笑った。観察されたくない人向けのバナナ型反射板、大量発注しときますね(?)