いま空前のサウナブームが社会全体に過剰拡大している。浴場文化の新次元を模索する動きはエスカレートしつつあり、先週とうとう、セルフロウリュ愛好家7万人が集団で蜂起する「一斉発汗事件」が発生。市街地全体が霧と汗と幻覚的な健康感で包まれ、市そのものが地図上から消失するという前代未聞の騒動となった。
事件の発端は、サウナ女子団体『サウナ・グラシア協会』の会員で主婦の塔馬弦子(42)が投稿したSNSの呼びかけだった。「みんなでセルフロウリュを一緒にしたら“整う”の向こう側が見えるらしい」という噂が一部界隈に瞬時に拡散。24時間のあいだに市内外からのサウナ愛好家が7万人規模にまで膨れあがり、会場とされた巨大屋外浴場“ホッカイ規模温室”では、手持ちバケツで自作の熱波水を一斉に炉に投入し始めた。
ロウリュ開始から30秒も経たぬうちに、強烈な蒸気が半径5キロを包囲。鳥や街頭犬、自治体関係者、偶然通りがかった書道家までが次々に“整いすぎる”症状を訴えた。報道によれば、このときサウナ飯ブースにあった“幻覚せんべい”も全国規模で流行。サウナ女子たちは『サ飯で宇宙旅出た』『毛根が歓喜で空中浮揚』『野菜室で熟成されたい』といった理解不能な興奮コメントを次々と投稿していた。
今回の集団セルフロウリュ騒動によって市庁舎・図書館・バス停など都市インフラが“蒸気化”し、衛星画像では市街地が巨大なサウナストーン状態となったことが確認された。自治体システム学の権威である河口寒弦教授(サウナ区大学)は「都市が物理的に消滅し、迷宮と化す現象は人類史上初。“サウナ健康バグ”の危険性について政府は早急な対応を求められる」と専門的見地からコメントしている。
SNSでは『私の住んでた町が“全自動ととのい装置”に進化しました!』『駅のアナウンスが“外気浴へご案内”しか言わなくなった』と混乱と興奮が交錯している。夕方、ついに仮設の“地図上サウナ迷宮”が全国12ヶ所に自生し始めているとの目撃も続々。すでに次週は「セルフロウリュ全国統一テスト」の予告も掲げられ、新たなバグった日本列島“整い紀元”の幕開けを予感させている。



コメント
え、俺の実家がサウナストーンになったってこと?ちょっと次の帰省どうすればいいのか誰か教えて。
やっぱサウナは宇宙のポータルだったか…。昨日の晩ご飯覚えてないけど、毛根が浮いてる気はする。
あー、やっぱりそうなったか。7万人のロウリュエネルギーが重力に干渉して市が消えるのは理論上ありえるって聞いてたし。
これぞ整い過ぎ社会。駅のアナウンス外気浴祭り、次はバス停でヴィヒタ配ってほしい。
政府の発表は全部サウナバグ隠蔽だろ?うちの庭まで霧が押し寄せてきたぞ…既にウチはバーチャル水中都市。