近年、登山界に常識を覆す新たな波が押し寄せている。「重力ゼロ登山」と呼ばれる夢のようなスタイルが全国的に広まり、道具軽量化の度を超えた豪胆な試みや標高自体に異変が発生する騒動が次々と報告されている。軽さを極めた登山者たちの奇想天外な行動に、山の生態系を巻き込む未曾有の混乱が広がっている。
北アルプス・翠天岳で先日行われた縦走大会には、業界でも名を馳せる軽量化フリーク・宇流間呂志(43)が最新の“重力ゼロ・バックパック”で参戦。リュックの素材は発泡空気の3分の1よりも軽い「虚構繭」製で、中身はなんと“空気抜き”と“標高測量用の風船”のみだった。「このバックパックは背負った瞬間、質量が負になるんです。気づくと半径10km以内の石や土、さらには近隣の登山者までもが空中浮遊している」と宇流間はインタビューで語り、その言葉どおり会場ではリーダー格の岩石(推定重さ2トン)が大会記録を大幅に更新する1300mジャンプを披露した。
事件は更なる混沌を迎えた。宇流間のバックパックから発生する“山岳逆重力波”の影響で、翠天岳山頂の標高計が突然マイナス表示に転落。山頂は物理法則を無視して地面が天井に、空が床に見える“裏返しエリア”と化し、自撮り目的の登山者150名が上下逆さまに並んで「逆重力パノラマ写真」をSNSに拡散。中でも人気登山系配信者・古風志乃(29)は、「身体の軽さに感動しながら、標高もついでに盗んじゃいました!」とライブ配信。その直後、他の山岳地帯で“標高泥棒”被害が連鎖的に発生、国土地理院ならぬ“空国逆地理院”が未曾有の苦情対応に追われている。
今回の混乱に、現役山岳科学者の尾古堅一朗氏は「これまでの登山ブームは道具の軽量化がゴールだったが、今や重力そのものが帰属不明となり、山の個性が不定形になる危険がある。標高データが不断に流出した場合、日本列島が『ほぼ平坦』になる恐れすらある」と懸念の声を上げる。またSNSでは「重力ゼロで登山道が常に下り坂」「標高が心で感じるものに変わる時代」「逆さまテント泊しか勝たん」といった体験談が相次ぎ、百名山を再選定するプロジェクト「裏返し百名山チャレンジ」なる謎の運動も急増中だ。
しかし、重力ゼロ登山の波は止まらない。縦走4日目のグループが「下山しようとしたら、いつの間にか登山口が空中に移動していた」と困惑しつつも、新たな軽量リュックの試作品「消失ウェストポーチ」(肉眼不可視、持ち主も不明)の開発に意欲を見せている。標高、重力、縦走の定義すら問われる現代登山の狂騒。各地の“持ち主不明の山”を巡り、今後も前人未踏の報告が絶えそうにない。


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