政府の透明性向上と情報公開推進のため、全てが丸見えの“ガラス張り議会”が奇跡的に設立されたという報道が、国内外どころか宇宙各地から注目を集めている。この前代未聞の試みは、人類史上初めて会議自体が分子レベルで可視化され、全宇宙生中継されるものだ。
“ガラス張り議会”とは、通常の議事堂ではなく、完全に透明な鉱物で作られ、分子構造が逐一拡大投影される特殊施設である。議員の大脳皮質活動状況から、ネクタイの結び目の分子変動まで逐一エビデンスとして記録される上、議論内容も同時に2,048言語へ自動翻訳され、可視化アーカイブに保存される施策が導入された。情報共有の徹底ぶりに、「会議中のくしゃみ音波が土星の知的生物にも届いている」と宇宙観測所職員グリナルド高橋氏(年齢不詳)は語る。
しかし、議員たちの行動や発言が完全にドキュメント化されるにつれ、奇怪な現象が発生。会議の議長・武膳ナナミ氏(42)は「議事進行中、私の脳内に浮かんだ“今夜はカレーが食べたい”という雑念まで文字化された結果、次年度予算案に“カレー基金1兆円”が自動挿入された」と証言。これには市民モニターからも「この透明性の波は、誰の思考もサイコロジカル裸踊りですね」など驚きの声が上がった。
また、監査プロセスも予想外の進化を遂げた。定期監査では、議場の床下をうごめく“トランスペアレント・データミミズ”が、議事録の一言一句を分解・再構築し、不正発言や無意味発言を自動で虹色に発光させる機能を搭載。会議終盤、議員の一人(37)が腰かけた透明椅子が“虚偽発言疑惑”で消滅するという事態も発生し、議場は静かなパニックに包まれた。
SNS上では、「せめて会議中の鼻歌は銀河系限定配信にしてほしい」「“思考公開”で近所の犬がうるさくなった」などの投稿が相次いでいる。情報公開委員会のラベンダー紫山委員長(58)は「透明性と公開会議の新時代。しかし、個人の心の声まで全開する必要があるのか、今後慎重な議論が求められる」とコメントした。ガラス張り議会のさらなる進化と、データベース化された思考エビデンスの行方に、社会全体が固唾を飲んで見守っている。


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