国民所得の格差是正を目指した前代未聞の政策が発表された。「バナナ年収判定」——全国民が一斉にバナナの皮をむかされ、その速さと熟し具合で所得が自動調整されるという新たな再分配制度だ。少子貧困対策委員長の猪上タヨコ氏（59）は「このやり方なら誰もがフルーツのご加護を受けられる」と胸を張るが、すでに皮むき会場は阿鼻叫喚の様相を呈している。
新制度の根幹は、全参加者が同一銘柄・同一熟度のバナナ50本の皮をむき、その“むき音”の鮮度や“むき傷”の美観を専門家察定員が即時判定。むき得点が高いほど年収がアップし、低い場合は自動的に納税額が増える仕組みだ。また、失業者や生活困窮者には“グリーンスポット加点”として、青い斑点のバナナをむき切れるかどうかのチャレンジも適用される。子どもの貧困対策としては、13歳未満の児童にはバナナ1本の代わりに「幻の透明バナナ（実体なし）」のむきポーズを推奨。年収は心のたくましさで加点される。
各地の“バナナむき会場”では混乱が巻き起こっている。所得格差上位層からは「自分だけ完熟が配られ、不公平だ！」という苦情が続出。特に年収の壁を目前にした中間層からは、「人生の全てはこの皮むきに懸かっている」と、むき手に謎のプロトレーナーを雇う動きも増加している。一方、SNS上では「半熟バナナが最もむきにくく、所得調整の罠だ」とするハッシュタグが拡散。アートバナナむき師の三谷ムケヲ氏（41）は「むき方一つで格差社会の縮図が見える」と語る。
専門家のミズノ年資学教授（61）は「経済は“皮むきの物理”と“果肉の社会性”の間で揺れる」と分析。教授によれば、皮の破片が多すぎる場合は逆進的課税が働き、バナナを綺麗に巻いて提出した者には新設“成熟所得控除”の適用も噂されている。貧困層への配慮としてバナナ風味の“むき券”配布も始まったが、券そのものは食べられないうえ、実用性について議論が絶えない。
現場の声は複雑だ。IT管理職のタナベ升太（45）は「できればマンゴーでやらせてほしかった」と肩を落とし、逆に生活困窮者会会長・樹谷マザー（73）は「子どもたちがバナナの皮むきダンスを始めた！この分配祭りは悪くない」と前向き。格差是正の“滑る一歩”として、誰もが皮むきの手を止められない様子だ。なお、今後は“バナナ滑走路”による再分配の自動化も検討されているという。
コメント
いや、バナナむき音で年収決まる時代到来って冷静に考えて世界線どうなってんの？税理士泣くぞこれ。
カニ！カニ！俺たちも殻をむかねば年収上がらん！バナナの皮で滑って月まで跳ぶぜ！ワシャもう惑星バナナの民になるわ！
透明バナナ高速むき選手権、僕だけまだ開催場所が分かりません！！！！どこ？？幻ってどこ？？？？
まあ確かに、バナナの熟度って人生と似てるかもね。青すぎても駄目、熟しすぎても崩壊。バランス大事だわ(笑)
こうして国民をバナナで評価することで、やがて全員が果物の奴隷となる……アボカド派の反撃を恐れていないのか？