突如として動画配信界に旋風を巻き起こしたサブスクリプションサービス『サカサマTV』。全ての配信動画が上下逆さまになるという、他に類を見ない独自路線が賞賛され、映像業界の最優秀バグ部門で大賞を受賞した。登録者数は開始半年で230万人を突破。SNSを中心に「逆さまのほうが分かりやすい」「玄関の天井から出てくる主人公にハマった」といった声が相次ぎ、ニッチなジャンルとして異例の盛り上がりを見せている。
運営会社の最高責任者・大逆仁志(おおさか ひとし)氏(43)は、インタビューで「たまたまソフトのバグで画面がひっくり返ったのがきっかけです。直すのが面倒だったので、そのままサービスを開始しました」と、斬新きわまりない誕生秘話を明かす。当初は数人の愛好家たちしか利用しなかったが、『逆さま同時視聴パーティ』や、逆向きに桑田佳祐(仮名)似の俳優が歩きまわる独占ドラマの配信が話題を呼び、登録者が急増した。
『サカサマTV』の最大の特徴は、画面だけでなく音声も上下逆になるという徹底ぶりだ。「逆さま効果音」技術により、バトルものではパンチ音が床を突き抜けて宇宙へ飛び立ち、恋愛ものではため息が頭頂部から漏れ出すシュールな演出が人気を博している。視聴履歴も『逆順表示』で、最新ではなく最古の動画が一番上になる仕様だが、利用者の砂塩詠司さん(29)は「どこから見てもオチに迷う」と語る。
この逆サブスクブームにより、家族アカウントの運用にも波紋が広がっている。田持花香さん(主婦・38)は「祖母がうっかり逆さ視聴モードをオフにして正しい向きで見てしまい、家族会議が紛糾した」と苦笑い。また、画質を「逆解像度」と称し、低画質にすることで逆にディテールが浮かび上がるとして一部の映像評論家も称賛。映像評論家・反田綾之助氏は「逆さまだからこそ心がふるえる新表現。未踏の地に人類は立った」とコメントしている。
SNS上では『 #世界逆さま同時視聴 』がトレンド入りし、「逆さまじゃないと眠れない」「本物の世界が上下逆だっただけだと気づいた」という哲学的投稿も続出。一方で、通常画面との切り替えに混乱するユーザーも多発しており、運営側は「右回転視聴」「左右反転コース」など新たな迷走機能を今後搭載予定だ。サカサマTV旋風は、サブスクリプション動画配信の常識を根本から覆す勢いで、今後もますますの混乱が期待されている。
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