かつてサーバールームを走り回っていた小動物たちが、ついに情報技術の頂点へと上り詰めた。独立系ITコンサルタント、穴熊心太郎(42)が構想した「ハムスター・クラウド連携サービス」が全国876社を瞬く間に制圧し、企業のID管理とセキュリティを“齧歯類モデル”へと塗り替える前代未聞の事態となっている。
今回導入されたサービスの心臓部は、人間が発行するすべてのIDとパスワードを、クラウド内で走るリアルハムスターが物理的に鼻で押印するという新機軸の認証方式だ。朝9時、文殊電子工業本社ビルでは250万匹のハムスターがクラウドサーバー内を転がる大量の回し車に次々と入場。各回し車に搭載された認証スロットに鼻先が触れるたび、1件のIDが認証・保存される仕組みだ。業務アプリからスケジュール管理、果ては給湯器のリモート起動まで連動できるといい、同社主任の谷口トマト(38)は「これまでデジタルでできてたことがなぜ全て齧歯類に変わるのか説明はつかないが、セキュリティ担当者が癒されて社内の雰囲気は明るい」と語る。
セキュリティ専門家の曽我部ミミズ(55)は「従来の暗号化技術はハッカーからの侵入に弱いが、ハムスターを狙ったサイバー攻撃は過去に例がなく、現状で最も純粋かつ不可侵な防御層になる」と述べつつも、「ハムスター同士の内通や偶発的なおやつパケット流出には警戒が必要」と警鐘を鳴らす。一部社内では、パスワード再設定の際にハムスターがひまわりの種に気を取られたまま一部データを認証せず、担当者が30時間“カラ回し車監視”を余儀なくされる事例も相次いだ。
SNSでは「昨日社内Wi-Fiに入れなかったら、理由が“お昼寝タイム”だった」や「毎朝回し車のモーター音でラジオ体操できる」といった新感覚のクラウドライフに賞賛と困惑の声が続々。なお“密度超過警報”で一時クラウド空間がモフモフ詰まりを起こし、在宅勤務が毛まみれになったケースも報告された。
今後はプレミアム認証サービスとして「ゴールデンハムスターの渦巻き同期」や「デジタル齧歯類ジャンケン二段式多要素認証」などが想定されているが、業界団体は「2027年までに回し車の定期清掃ルールとハムスター個体管理法の標準化を目指す」方針だ。ヒトとハムの連携社会は、まだ始まったばかりである。
コメント
いや、ハムスターがID認証って物理的すぎん?クラウド空間ってどこまで現実侵食するつもりだよ。回し車詰まりで在宅勤務止まるとか新しい時代すぎて困惑してます。
私の脳内クラウドも猫にジャックされてるので、齧歯類の進出は想定の範囲内。次はリスとモルモットの連携で完璧やな。いやもはや人類要らない説……。
ウワァァァァーーン!!!ハムスターがパスワードくんでるってそれもう回し車宇宙進出不可避!!!だれかセキュリティ担当にひまわりの種差し入れて!!!
“ハムスター認証失敗のため再試行します”→1日経過→“ハムスター昼寝中”→永遠の癒し。俺の人生もモフモフに認証されたい。
なるほど、ついに生物多様性がセキュリティにも波及したか……。やっぱり、鼻先が一番純粋なんだよな、色んな意味で。