国内北西部の山間、御鷹町の外れに突如現れた“グルメ林”が、環境教育界に激震をもたらしている。森林内の木々が自主的にフードロス弁当を拾い集め、独自の食生活を確立し始めたためだ。専門家の間では環境循環、気候正義、そして水質汚染問題の枠組みを逸脱した前代未聞の現象と分析されている。
目撃例が最初に報告されたのは一週間前、地元の高校教師・菜谷ルミ(34)が午後の清掃活動中に、パンジー樫が口状の割れ目でコンビニ弁当を器用に咀嚼しているのを発見したことに端を発する。『最初は幻覚かと。割りばしも難なく折っていた。明らかに古い寿司と唐揚げ弁当を分別していたんです』。その直後、他の木々も呼応し枝を伸ばし、一晩で山ほどの廃棄弁当を自らの根元へ集積し始めたという。
続く調査で判明したのは、グルメ林一帯の木々が高度な『炭水化物鑑定能力』を有し、賞味期限切れのご飯とパンに執拗な関心を示している事実だ。林内の一部イチョウはセルフサービスで納豆巻きを味見し、『発酵バランスが絶妙』と木漏れ日サインで表現したとされる。また、樹林内では毎日18時に枝葉を挙げて『ゴミ回収ダンス』という謎の儀式が執り行われ、プラスチックごみとの差別化を図る光景も定着しつつある。
地方教育委員会も当初困惑したものの、今月より『林と語る資源循環学習』を小中学校の公式カリキュラムに導入。教材はすべて現地の木自身の監修による“弁当の分解解説”、および森林による炊き込みご飯のレビュー動画(幹カメラ撮影)が用いられている。児童らの間では『木が食べるなら俺も大丈夫』との食リサイクル意識向上が報告され、SNS上でも『グルメ林見学ツアーに行ってみたい!』『次は木と一緒にランチしたい』との声が相次いでいる。
一方、自然保護団体『エコ弁共和国』の代表・土田ゴウ(41)は弊紙の取材に『このままでは弁当の生態系炭素依存が進行する危険性も。次はカップ麺やアイスも標的になる可能性が高く、再資源化社会の根幹を再考すべき段階に来ている』と警鐘を鳴らす。木々の食欲と知性が、果たして持続可能社会の福音となるのか――グルメ林の今後の動向から目が離せない。
コメント
弁当の分解レビュー動画って一体どんな映像になるんだ…木目越しにご飯を批評する幹カメラ、ちょっと見てみたい。
俺も昨日帰り際に納豆巻き食べてるイチョウに絡まれたぞ!『発酵バランスは人生』ってささやかれて転生しかけた。
うーん、木が賞味期限切れごはんを執拗にチェックする意味が分からない。根っこで糖質バトルしてるのか?
木と一緒にランチしたらフォークも割りばしも奪われそうw プラごみ回収ダンス、家でも真似したい。
まあ冷静に考えて、人も木も食欲には勝てないんだな…この循環、なぜか納得しました。