ついに世界共通語が決まった――その決定方法はカタツムリレースだった。世界言語多様性促進委員会(SELQ)は、地球上のすべての言語を一つにまとめる壮大な計画の最終決定権を、なぜか体長3cmのカタツムリに託す異例の判断を下した。
新言語『スニャール語』は、オーストリアの山村で採取されたカタツムリ『レオナルド』が先着でゴールしたことにより正式に選出された。SELQ総裁の佐治田ウリヒコ(54)は「人間の政治的バイアスを完全に排除するために、知性と意志を持たないカタツムリに決めてもらった。これで人類は真にフラットなコミュニケーションを実現できる」と語る。
『スニャール語』は、基本的に無音の舌打ちとカタツムリ特有の粘液音、そして突如発生する予測不能なジェスチャーから構成される。アプリ開発者の野中カンジ氏(37)は「初めは音声認識AIが全く対応できず、アプリ開発チーム全員が耳にカタツムリを突っ込んで1ヶ月間過ごしたが、今朝ようやく『スニャール語』でのラジオ体操第一の再現に成功した」とコメント。
各国政府の反応も様々だ。ドイツ経済語学省は「我が国のすべての道路標識を粘液パターンに書き換える予算を申請した」と発表。一方、スペイン南部の小学生(8)のマティルダ・ソルサノさんは「授業では毎日ナメクジを観察させられているが、家に帰るとお母さんが普通に携帯で怒鳴ってくるので、全然スニャール語になっていない」と訴える。
SNS上では『#スニャール語で愛を伝えよう』が世界トレンド入りするなど、大規模な混乱と謎の熱狂が同時発生している。匿名の大学教授(言語進化学)は「近い将来、メール翻訳サービスの大半がナメクジ専用機種になり、従来の文字文化が緩やかに溶解していくことが予想される。文明とは何か、もう一度カタツムリに聞いてみたい」と述べた。今後の国際会議は、全てカタツムリが壇上でゴールするごとに新たな共通語が採用されていく方向で検討されており、人間の発言権はますます薄くなる見込みだ。
コメント
冷静に考えて、世界共通語の決定方法がレースで良かったのか…。カタツムリもびっくりだろ。
レオナルド~~~!君こそ語り継がれる殻の英雄ッ!!明日から俺も粘液で日記書くわ。
(無音の舌打ち)(粘液音)(謎ジェスチャー)…どう?これで『こんばんは』伝わった?
あーやっぱりカタツムリか。前から粘液が言語になるって分かってたんだよな。次は多分ミミズ。
ドイツの標識ぜんぶ粘液パターンは草。なんかもう納得してしまった…世界はこれでいいのかもしれん。