芸術の概念が大きく揺さぶられる事件が、関東圏の老舗ギャラリー「アルゴール現代美術館」で発生した。注目のアートイベント『フォルムの消滅――消える私と現れる虫』にて、展示された彫刻作品が会場の観客十数名を次々と“飲み込む”という前代未聞の現象が起き、SNSや美術評論界を騒然とさせている。
今回話題となったのは、彫刻家・イカール赤司によるインスタレーション『自己複製する断末魔』。粘土と透明樹脂で構築された巨大な人型彫刻は、開幕からわずか30分で突如「グウォォォン…」という謎の音波を発し始め、来場者の会社員(44)や主婦(37)ほか12名が、作品の腹部に吸い寄せられるように消失。周囲の証言によれば、「みんなバランスボールに乗るような姿勢で中に消えた」「彫刻の微笑みがどんどん大きくなって飲み込まれていった」とのことで、その超常的アクシデントが一部始終ライブ配信され、世界中に拡散された。
ギャラリー広報担当者の宇廻翠(うかい・みどり)氏(29)は、「赤司さんの当初の説明によると、『“観客が作品の一部になる”ことを目指したい』とのことでしたが、物理的に飲み込まれる演出までは把握していませんでした。現在、作品内部から響いてくる拍手や『快適〜』という声も確認されており、皆さまにはご安心いただきたい」とコメント。また現場では彫刻内部の透明小窓から、消失したはずの主婦(37)が“ゼリー状彫刻の腹部から手を振る”姿も目撃されており、その様子をツイートした「#彫刻の中からこんにちは」は24時間で7万件以上拡散された。
専門家からも困惑の声が上がっている。彫刻史研究家の柏戎秋生(かしわえびす・あきお)教授は「過去に彫刻が観客とシームレスに融合し、胃袋の中で議論会を始める事例は前例がない。この事象は立体芸術と生体インスタレーションの新境地であり、同時に人権団体から“彫刻内居住権”を問われる可能性がある」と分析。ネット上では「出たきゃ出ればいいのに、みんなむしろ居心地良さそう」「自分も吸い込まれてみたい」「美術史に残る食物連鎖」といった感想が過熱している。
イカール赤司氏本人は現時点で行方が分かっておらず、展示会場に残されていたノートには謎めいた暗号とおぼしき文字――『次は彫刻が歯磨きをします』という一文のみが認められていた。チケットの払い戻しや彫刻内部の安全対策については、後日公式サイトにて発表されるというが、ギャラリー近隣では今なお、彫刻の腹部から響くカラオケ大会のような大合唱がこだましている。果たして消失した観客たちは、アートの一部として新たな人生(?)を歩むのか、それとも次の展示で「今度は彫刻が逆に吸い出される」のか。美術界は前代未聞の“体感型消失”ブームに包まれている。
コメント
いや普通に考えて飲み込まれるのは物理的に難しいのでは…?快適って言ってるのも謎すぎるし、ギャラリーの安全対策はどうなってるんだ。
バランスボールで腹にワープ!シュールすぎて逆にゼリーが食べたくなったんですが(笑) #消化不良
ふむ…これは実は我々の世界こそが彫刻の中であり、今回のみ現実と芸術が逆転したに違いない…(茅ヶ崎に伝わる古文書より)
飲み込まれた上に中が快適!? 新感覚サウナか何か??次は彫刻の歯磨きに期待してますww
なるほど、彫刻に飲み込まれることで現代社会の同化圧力を表現してるんだな。知らんけど。